ヘバーデンと診断され、年齢のせい、やりようがない、という場合、それでも症状をなんとかしたい場合、ヘバーデン結節の専門って何科なんだろう?と気になる方は多いのではないでしょうか。
整形外科(Orthopedics):ヘバーデン結節を疑う場合、まずは整形外科の受診が推奨されます。整形外科医は骨・関節の疾患全般を扱い、レントゲン検査による診断や痛み止めの処方、装具による関節固定など保存療法を含めた総合的な治療が可能です。ヘバーデン結節は関節リウマチとは原因が異なる変性疾患であり、しばしばリウマチと誤解されますが、DIP関節に限局した変形と骨のコブは加齢や体質による変形性関節症であり、リウマチとは全く異なる病態です。また、整形外科の中でも手の外科(手外科)専門医が在籍する施設では、手指の変形性関節症の保存療法から手術まで幅広く対応した経験のある医師が多いです。
それでも様子を見るしかない、と言われた場合の専門科としては
リウマチ科(Rheumatology):関節リウマチなど自己免疫疾患を専門とする内科系の診療科です。ヘバーデン結節それ自体は変形性関節症でありリウマチ科の対象となる免疫疾患ではありませんが、症状が強く多数の関節が痛む場合や、関節リウマチ等との鑑別が必要な場合にはリウマチ科受診が考慮されます。。例えば指の複数の関節に腫れ・痛みがある際、専門のリウマチ医は血液検査や超音波検査等で関節リウマチや乾癬性関節炎など他の関節炎との鑑別診断を行います。また海外では変形性関節症はリウマチ科医の扱う領域で、変形性関節症に対しても消炎鎮痛剤の全身管理や、必要に応じてヒアルロン酸注射・ステロイド注射などの治療を行うことがあります。
手外科ではマイクロサージャリーなど繊細な技術を活かし、指の腫瘍や外傷、そして初期の変形性関節症(ヘバーデン結節や関節リウマチによる手指変形)まで幅広く診療していることがあります。
痛みが慢性化し難治の場合は、ペインクリニック(痛みの専門科)で神経ブロックなど鎮痛処置を検討するケースもあります。栄養や内分泌の観点では、更年期に関連する場合に婦人科でホルモン補充療法の相談をする例もありますが、ヘバーデン結節単独で直接婦人科が関与することは稀です。
へバーデン結節の受診の目安
- まず整形外科へ: 指先の違和感や軽い痛み・こわばりを感じたら、まずは整形外科で診断を受けましょう。レントゲンで骨の変形(骨棘)や関節の隙間狭小化を確認することでヘバーデン結節の診断がつきます。40代以降の女性で指の第一関節に腫れや変形を認めたら整形外科受診が第一選択です。
早期診断により、加齢のせいといわれることも多いですが、まずは整形外科受診がよいでしょう。 - 関節リウマチが心配な場合: 指の第二関節(PIP関節)や手首など複数箇所が腫れている、朝の強張りが一時間以上続く、血液検査で炎症反応が高いなどリウマチを疑う所見がある場合、リウマチ科受診も検討しましょう。ヘバーデン結節は指先DIP関節に限局し他の関節症状は軽微であることが多いため、もし全身的な関節炎症状があるなら専門的鑑別が必要です。また乾癬性関節炎や膠原病(SLEなど)もDIP関節が晴れることがあるため、そういった評価も併せて実施できます。多くのリウマチ科は、へバーデン結節の診断は可能ですので、診断の相談にはリウマチ科という選択もありです。
- 手術を検討する場合: 装具や薬物療法でも痛みが強く日常生活に支障が大きい場合や、関節変形が高度で指の機能障害が著明な場合には、手外科専門医のいる施設への受診を考えます。整形外科医の中でも手外科専門医、もしくは形成外科の手外科医に相談し、関節固定術などの手術適応があるか評価してもらうと良いでしょう。特に指の見た目の改善を強く希望する場合や保存療法で改善しない嚢胞(ミューカスシスト)を伴うケースでは、専門的な手術による治療選択肢について説明を受けることが重要です。
以上のように、ヘバーデン結節の診療科選びは基本は整形外科、必要に応じてリウマチ科や手外科専門医(整形外科または形成外科)へ相談、という流れになります。適切な科を受診することで、無駄なく的確な治療計画を立てることができます
診断後の、へバーデン結節の一般的な治療方法については、こちらの最新ガイドラインのまとめを参照ください。
専門医の探し方
ヘバーデン結節の診療は、多くの場合は地域の整形外科クリニックでも対応可能ですが、症状が重かったり特殊な治療を希望する場合には専門医や専門施設を探すことが重要です。ここでは日本国内および海外で専門医を見つける方法を紹介します。
専門クリニックやセンターを探す: 手指の疾患に特化したクリニックが各地に存在します。例えば「○○手のクリニック」「○○ハンドセンター」という名称で、手・肘専門の整形外科クリニックが開業していることがあります。これらは院長が手外科専門医であることが多く、症例数も豊富です。病院検索で診療内容に「手外科」や「末梢神経」「マイクロサージャリー」といったキーワードが記載されている医療機関は、手の外科領域に注力している可能性が高いです。
最後に、主要な国々でヘバーデン結節を担当する診療科・専門医がどのように呼ばれているかを一覧表にまとめます。国によって専門領域の分け方や名称が異なるため、受診時の参考用にご覧ください。
国・地域 | 主な担当診療科(現地語) | 説明・備考 |
---|---|---|
日本 (Japan) | 整形外科 (Orthopedics)、手外科 (Hand Surgery)、リウマチ科 (Rheumatology)、形成外科 (Plastic Surgery ※手外科領域) | 整形外科が第一選択。手術は手外科専門医(整形外科 or 形成外科)が担当。リウマチ科は鑑別診断や薬物治療で関与。 |
アメリカ (USA) | Rheumatology(リウマチ科)、Orthopedic Surgery(整形外科手術) ※Hand Surgeon(手外科医)は整形外科医のサブスペシャリティ | リウマチ科医が関節疾患の内科治療を担当。整形外科医(特に手外科専門の整形外科医)が手術を担当。初期診療は家庭医→専門医紹介。 |
イギリス (UK) | Rheumatologist(リウマチ専門医)、Orthopaedic Surgeon(整形外科医) ※Hand Surgeonは整形外科医の中の手の専門家 | 一般医(GP)の紹介で専門医へ。リウマチ科医が手指OAの保存療法を指導、整形外科医(Hand Surgery専門)が外科治療担当。公的医療下ではまずGP受診が必要。 |
ドイツ (Germany) | Orthopädie/Unfallchirurgie(整形外科・外傷外科)、Physikalische Medizin(リハビリ科)、Rheumatologie(リウマチ科) ※Handchirurgie(手外科)は整形外科医または形成外科医の資格 | 整形外科医が一時対応。保存療法にリハビリ科医が関与。リウマチ科医は炎症性疾患中心だが鑑別で関与。手術はHandchirurg(整形外科/形成外科の手外科専門医)が担当。 |
フランス (France) | Rhumatologie(リウマチ科)、Chirurgie orthopédique(整形外科手術) ※Chirurgien de la main(手の外科医)は整形外科医の専門分野 | リウマチ科医が指関節症の主治医となることが多い。症状進行時に整形外科(手の外科)医が手術対応。セカンドオピニオン制度も活用可。 |
※上記の他、各国共通で作業療法士(Occupational Therapist)や理学療法士(Physiotherapist)がリハビリに深く関わります。また痛み専門医(Pain Specialist)は慢性痛の管理に寄与します。
当院へバーデン結節動注専門外来|豊田土橋リウマチクリニックは、リウマチ専門医の外来です。
当院の専門領域はリウマチ科になります。へバーデン結節の診断、そのほかの膠原病やリウマチ由来の症状ではないかどうかの診断も可能です。
また、レントゲンに現れる前のごく初期のへバーデン結節の診断も、超音波にて実施可能です。
へバーデン結節でお悩みの方は、ご相談ください。

動注治療を
豊田市で受けられる

この治療法は、症状の改善だけでなく、痛みを抱えた日常生活を取り戻す希望として、多くの患者様から期待を寄せられています。
愛知県で動注治療を受けられるクリニックはまだ限られていますが、当院はオクノクリニックとライセンス契約を結び、専門的な治療を提供しています。
へバーデン結節治療の新しい選択肢として、ぜひご検討ください。
動注治療で 84.5% が改善
オクノクリニックでは、動脈注射療法の効果を追跡するため、定期的に報告会を実施しています。最近のデータでは、治療を受けた方の84.5%が3ヶ月以内に痛みの自覚症状が改善したと報告されています。
この高い改善率は、動脈注射療法がヘバーデン結節の根本的な原因にアプローチし、痛みを効果的に和らげる治療法であることを示しています。


さらに、動注治療後1年間の116例を対象としたアンケート研究では、3ヶ月後に84.5%、6ヶ月後に72.5%、12ヶ月後に75%の方が症状改善を実感しています。この結果は、動注治療が持続的な効果を持つことを裏付けています。
多くの患者様が、この治療によって日常生活の質を取り戻し、新たな希望を見出しています。痛みや不調に悩む方は、ぜひ動注治療を選択肢の一つとしてご検討ください。
痛みの軽減と日常生活の改善を目指し、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しております。
もし「痛みが続いている」「改善が見られない」と感じている方はぜひご相談ください。ご予約はお電話またはウェブで承っております。ご来院心よりお待ちしております。
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ヘバーデン結節治療の最新ガイド(リンク先)
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へバーデン結節への動注治療という新しい選択肢
当院で実施している、へバーデン結節への動注治療を解説します。
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