ヘバーデン結節は指の第一関節(DIP関節)に生じる変形性関節症であり、痛みやこわばり、関節の可動域制限を引き起こします。残念ながら形を元に戻すことは難しいものの、適切なリハビリテーションと生活上の工夫によって痛みの軽減と機能維持、症状進行の抑制が期待できます。以下に、ヘバーデン結節のリハビリテーションについてリハビリテーション専門医が専門的な視点から解説します。

具体的なリハビリテーションの手法
- 運動療法(関節可動域訓練・筋力強化): 定期的な手指の運動は、関節の動く範囲(可動域)を維持し、周囲の筋力を強化することで症状改善に役立ちます。例えば、指をゆっくり曲げ伸ばしする可動域訓練(グーパー運動など)や、柔らかいボールを握る握力トレーニングによって、指の柔軟性と握力を向上させることができます。こうした運動は関節のこわばりを和らげ、日常生活動作をスムーズにします。
実際に、手指の運動を毎日続けたグループでは握力や指の機能が有意に向上したという報告もあり、継続が重要です。ただし痛みが強い時には無理をせず、炎症が落ち着いている範囲で行いましょう。痛みの出ない範囲で少しずつ回数や強度を増やすことで、安全に筋力と可動域の改善が図れます。 - 温熱療法(温湿布・温浴・パラフィン浴・超音波治療): 温めるケアは古くから関節痛の緩和に用いられており、ヘバーデン結節にも有効です。
患部を温めることで血流が良くなり、痛みや朝のこわばりを軽減できます。具体的には、温かいタオルやお湯に手を浸ける温浴法、溶かしたロウに手を入れるパラフィン浴などが挙げられます。
パラフィン浴は手指の変形性関節症による痛みを和らげ、治療前に行うと関節が動かしやすくなるため、リハビリ前の準備として推奨されています。研究においても、温熱療法を併用した群で痛みの軽減と握力の維持向上が報告されており、適切な温熱はリハビリ効果を高めます。
また、物理療法の一環として行われる超音波療法もあります。超音波は組織の深部まで微細振動による温熱効果を与え、炎症を抑え痛みを和らげる可能性があります。ただし、手指の関節に対する超音波治療のエビデンス(科学的根拠)は十分ではなく、効果には個人差があります。
いずれにせよ、温熱療法は副作用が少なく自宅でも実践しやすいため、朝起床時や作業前に指を温めて関節をほぐし、運動後や炎症を感じるときには冷却療法(氷水で冷やす・冷湿布)で腫れや炎症を抑える、といった使い分けが有効です。 - 装具療法(指スプリント・テーピング): 痛みのある関節を安定化させるために、装具の使用が検討されます。DIP関節専用の指用スプリント(例えば指先にはめるリング状の装具)を装着すると、関節の過度な動きを制限し、痛みが和らぐことがあります。
特に夜間就寝時に痛む場合は、ナイトスプリントとして寝るときに硬めの副木や指サポーターで関節を固定することで、朝の痛みや指の変形進行を抑える効果が期待できます。実際、小規模な臨床研究では、DIP関節を夜間固定することで痛みの大幅な軽減と指の伸展(まっすぐ伸ばす動き)の改善が報告されています。
また、日中活動する際には目立ちにくい薄手のリングスプリントやテーピングで関節をサポートすると、物をつかむ動作などでの痛みが減り安全に使えます。装具療法に関するエビデンスは、親指の付け根関節(母指CM関節)では有効性が高いとされていますが、DIP関節では**「効果がある人も多いが個人差がある」程度であるため条件付き推奨**とされています。それでも、患者さんの多くは装具装着により痛みの軽減を実感しているのも事実です。重要なのは、装具の使い方です。長時間にわたる連続装着は指の筋力低下を招く恐れがあるため、適度に外して指を動かす時間を作ります。例えば「日中は必要に応じて柔らかいサポーターやテーピングで保護し、痛みが出たら装着。夜間や痛みが強い時は固定力の高い副木で関節を休め、普段は外して指を動かす」というように、状況に応じて装具を使い分けると良いでしょう。また、装具自体のフィット感や見た目の問題で継続使用が難しくならないように、患者さんに合った快適なものを選ぶことも大切です。

症状の進行を遅らせるためのセルフケア・生活習慣
- 日常生活での関節負担軽減の工夫: ヘバーデン結節の進行を遅らせ、痛みを悪化させないためには、関節に過度な負担をかけない生活習慣が重要です。
具体的には、指先だけで重いものを持ったり、強い力でつまむような動作はできるだけ避けます。
代わりに関節保護の考え方を取り入れ、物を持つときは指全体や手のひら、腕の力を使うようにします。例えば、重い鍋ややかんは指先で持ち上げず両手で支える、瓶やペットボトルの蓋はゴム製オープナー等の補助具を使って開ける、買い物袋は指にかけず腕に通すかカートを利用する、といった工夫です。
また、ペンや包丁など日用品はグリップが細いと指関節へ負担が集中するため、スポンジやシリコンのグリップカバーを付けて持ち手を太くすると楽になります。
関節保護プログラム(Joint Protection)の一環として、作業を分割して行う(長時間続けずこまめに休憩する)、代替動作を学ぶ(指先ではなく手のひらや前腕を使う動作に変える)なども有効です。
これらの方法は地味ですが、長期的には関節の摩耗を抑え変形の進行を遅らせるとともに、痛みの悪化防止につながります。実際、関節保護の指導とホームエクササイズを組み合わせたプログラムを受けると、ただ情報を提供しただけの場合と比べて、患者さん自身が感じる手の機能が明らかに改善したという報告があります。日常生活での小さな工夫の積み重ねが、大きな違いを生むのです。 - 栄養療法やサプリメントの活用: 食生活も関節の健康に影響します。まず、全身的な炎症を抑えるために、野菜や魚を多く含む地中海食のようなバランスの取れた食事を心がけると良いでしょう。特に青魚に含まれるオメガ3脂肪酸や、野菜や果物に豊富な抗酸化成分は、炎症を和らげる作用が期待できます。
手のOAに関してはコンドロイチン硫酸に一定の有効性を示す研究があり、痛みや機能が改善したとの結果を受けて、米国リウマチ学会(ACR)は条件付きでコンドロイチンの使用を推奨しています。つまり「劇的な効果は期待できないが、試してみる価値はある」という位置づけです。
実際にコンドロイチンを6ヶ月程度服用した手指OA患者で、プラセボ(偽薬)より痛みが軽減したという臨床試験報告もあります。グルコサミンについては有効性を示すデータが乏しく、最近の推奨ではあえて摂取する必要はないとされています。ただし、いずれのサプリメントも副作用は比較的少なく(甲殻類アレルギーがある場合はグルコサミンに注意)、個人差ながら「飲んだら調子が良い」という患者さんもいます。そのため、患者さんが希望する場合は他の治療と併用して試すのも選択肢です。
また、ビタミンDやカルシウムなど骨の健康に寄与する栄養素を十分にとることも大切です。閉経後の女性に多い疾患でもあるため、骨粗鬆症の予防・治療を並行して行い骨の強度を保つことが、間接的に関節の安定性維持に役立つでしょう。総じて、栄養療法やサプリは補助的な位置づけですが、適切な食事・栄養管理は関節の自己修復力を支える基盤になります。 - 適切な運動と安静のバランス: 使いすぎず、使わなさすぎず――このバランスが症状管理の鍵です。関節を休ませる安静は痛みが強い急性期に必要ですが、長期間まったく動かさないでいると関節包や筋が硬くなり、更なる可動域の低下を招きます。一方で、痛みを我慢して無理に使いすぎると炎症が悪化し変形が進む恐れがあります。
そこで、日々の中で痛みの程度を指標に運動量を調節します。例えば、「痛みが強い日は安静優先で、テーピングやサポーターで指を保護し休ませる」「痛みが和らいでいる日は運動日和として、指の曲げ伸ばしや握力トレーニングをしっかり行う」といった具合です。
このポイントとして痛みのサインに耳を傾けることが大切で、痛みや腫れが増してきたらその活動は一旦中止し休憩・冷却をします。逆に、痛みが落ち着いている時期には関節が固まらないよう可能な範囲で動かすことが望ましいです。
特に朝など長時間安静にしてこわばった後は、前述の温熱療法で指を温めてから軽いストレッチや運動を行い、関節液を行き渡らせると良いでしょう。また、日常生活動作も急に全部やめてしまうと筋力低下につながるため、工夫しながら続けることが基本です。
例えば趣味の園芸で土いじりをすると指が痛むなら、太い持ち手の道具に変える・短時間で区切って休み休み行うなどして続けます。軽度の痛みであれば、むしろ適度に動かした方が関節内の循環が良くなり痛みが和らぐこともあります。要は、「痛みが出たら休む、落ち着いたら動かす」を繰り返し、運動と休息のメリハリをつけることです。このバランスをうまく取ることで、関節の機能を維持しつつ炎症によるダメージを最小限に抑えることができます。
最新の研究や治療法の動向
- 再生医療や新しい薬物療法の進展: ヘバーデン結節を含む変形性関節症の領域では、近年再生医療や疾患修飾薬の研究が活発化しています。例えば、自分の血液から抽出した血小板を関節に注射するPRP療法(多血小板血漿注射)は、膝を中心とした研究で疼痛緩和に一定の効果が報告されており、手指の関節に対する臨床試験も行われつつあります。メタ解析では、手や足の関節OAに対するPRP注射がプラセボより痛みと機能を改善したとの結果もありますが、研究ごとのばらつきが大きく、軟骨そのものの再生効果については未だ結論が出ていません。現時点ではPRP療法は保険適用外の先進治療であり、主要なガイドライン(ACRやAAOS)でも推奨される段階には至っていません。同様に、培養した軟骨細胞や幹細胞を関節に移植する試み、遺伝子治療によって軟骨を修復する研究なども基礎段階で模索されています。
また、新しい薬物療法としては、炎症や骨の破壊を抑える分子標的薬が注目されています。例えば、RANKL阻害薬(デノスマブ)は骨の過剰な吸収を抑える薬剤ですが、最近の臨床研究で手の侵食性OA(骨破壊を伴う攻撃的な手指OA)に投与したところ関節の骨びらん進行が抑制されたとの報告があります。骨粗鬆症などがある方では特に良い選択肢となる可能性があります。
さらに、軟骨の代謝経路に作用する経口薬(例: ビタミンA誘導体で軟骨分解酵素を抑制する試験薬など)も研究されています。しかし、これらはまだ試験段階であり、実際のヘバーデン結節治療に一般的に使われるようになるには十分なエビデンスの蓄積と安全性確認が必要です。
一方で、**炎症性の強い手指OA(いわゆる「erosive(破壊性)OA」)**に対し、リウマチ治療薬(例えばヒドロキシクロロキンやメトトレキサート)や生物学的製剤(抗TNFや抗IL-1など)の効果を調べた研究もありますが、今のところ決定的な有効性は示されていません。総じて、再生医療や新薬は将来の治療オプションとして期待されていますが、現段階では研究途上であり、現行の保存療法を補完・強化するエビデンスに基づいた手法が優先されます。 - 物理療法のエビデンス整理: 理学療法士や作業療法士が関わる物理療法についても、近年エビデンスの蓄積が進んでいます。運動療法の有効性は既に述べた通りですが、その他の理学療法的アプローチについても検証が行われています。まず、温熱療法に関しては直接のRCT(無作為化比較試験)は少ないものの、専門家のコンセンサスや長年の臨床経験から有用であるとの評価がなされています。実際、温水に手を浸す、パラフィン浴を行うといった介入は、患者さん本人の主観的な痛みの軽減や関節の動かしやすさ向上につながることが多く、安全性も高いことからガイドラインでも条件付きながら推奨されています。
超音波療法については先述の通り賛否ありますが、痛みの軽減目的で短期間試みる分にはリスクは少ないため、他の治療で十分な効果が得られないケースで追加されることがあります。また、低出力レーザー療法(LLLT)も物理療法の一種として研究があり、2020年の小規模研究ではヘバーデン結節とブシャール結節に対するレーザー照射が痛みと腫れを軽減し、可動域を改善したとの結果が報告されました。ただし症例数が限られるため、今後さらに大規模な研究で有効性を検証する必要があります。
鍼治療や手のマッサージは血行促進や筋緊張の緩和によって痛みを和らげる効果が期待でき、一部の患者では症状改善を感じることがあります。科学的証拠としては鍼・マッサージの即効性はプラセボ(思い込み効果)と同程度との報告もあり賛否がありますが、リラクゼーションやストレス緩和につながることからACRでは「条件付き推奨」と位置付けられています。つまり、大きな害はなく補助的に試す価値はあるという立場です。電気刺激療法や磁気療法なども痛み対策として試みられることがありますが、手指への適用例は少なくエビデンスも限定的です。
まとめると、物理療法は痛みの緩和や機能維持の補助として役立つ可能性があり、多くは安全なので患者の好みに合わせて組み合わせることができます。ただし「これさえやれば劇的に治る」という万能な手法はなく、運動・温熱・装具など主要なリハビリ手段を軸に、こうした物理療法を補完的に活用するという位置づけになります。 - 海外の先進的な治療アプローチ: 世界に目を向けると、ヘバーデン結節に対する外科的・先進的治療のアプローチも模索されています。保守療法(リハビリや内服など)でどうしても症状コントロールが難しい場合、手術が検討されます。DIP関節は動きが小さく代償も利きやすい関節であるため、痛みが強く日常生活に支障が大きいケースでは関節固定術(関節の骨を癒合させて痛みを除去する手術)が選択されることがあります。
関節を骨で固定するとその関節の可動性は失われますが、痛みの原因となる擦れ合う動きがなくなるため疼痛は劇的に軽減します。指先の曲げ伸ばしができなくなるデメリットはありますが、DIP関節はもともと可動域が比較的小さいため、他の関節で代償して日常生活動作はほとんど問題なく行えるようになります。また、一部の高度な手外科医療では、指関節の人工関節置換術や骨の切除形成術が行われることもあります。人工関節はシリコンや金属・セラミック製の小さなインプラントを入れて関節の一部可動性を残す試みですが、DIP関節の場合は非常に小さく安定性の確保が難しいため、現状では一般的ではありません。
むしろ日本より海外で行われることが多いのは中手指節関節(MP関節)や近位指節間関節(PIP関節)の人工関節ですが、DIPについては成功例が限られています。海外の先進施設では、関節鏡視下手術によるデブリードマン(関節内の遊離体や骨棘の除去)など低侵襲の治療も試みられていますが、長期成績はまだ十分ではありません。
薬物面では、痛みの信号伝達を遮断するために神経ブロックや高周波熱凝固術(関節周囲の神経を熱で処置する治療)なども慢性痛に対して行われることがあります。さらに、日本発のユニークな先端治療として指の動脈塞栓療法(動注治療)が注目されています。
これは、変形性関節症の痛みの一因とされる異常な新生血管ネットワーク(いわゆるモヤモヤ血管)に着目し、カテーテルを用いてそれらを塞ぐ治療法です。手首の動脈から細いカテーテルを挿入し、X線透視下で患部の過剰な毛細血管に薬剤を注入して血流を遮断します。新生血管とともにそこを伴走する痛み伝導に関与する神経の密集も減らすことで、痛みを鎮める狙いがあります。
動注治療は、早期の報告ではヘバーデン結節に対して痛みが顕著に軽減した例があり、手術によらない新しい痛みのコントロール法として期待されています。ただしこの治療もまだ一部施設での先進的取り組みであり、確立した標準治療とは言えません。総合すると、海外および最先端の治療は多様な試みがなされていますが、いずれも適応やリスク・長期効果を慎重に見極める必要があります。現状の国際的な治療方針としては「まずは運動や装具、薬など保存療法で痛みと機能をコントロールし、それでも難しければ手術や先端治療を検討する」という流れが基本です。
当院では、動注療法を実施しています。

自宅でできるリハビリ方法
- 自宅で簡単にできる運動: リハビリは毎日の積み重ねが重要です。
自宅でも隙間時間にできる簡単な手の運動を日課にしましょう。代表的なのは指の曲げ伸ばし運動です。
手をまっすぐ開いて指を伸ばした状態から、ゆっくりと指を握り込んで軽くこぶしを作り、再びゆっくり指を伸ばします(グー・パー運動)。これを片手で10回ずつ程度繰り返すと、指関節全体の可動域維持に役立ちます。
また、指の一本ずつの屈伸運動も効果的です。指をまっすぐ伸ばした状態から第一関節(DIP)だけ曲げて戻す、次に第二関節(PIP)も曲げて戻す、と関節ごとにゆっくり動かしていきます。
あるいはテーブルに手のひらを下に置き、指を一本ずつゆっくり持ち上げて伸展方向の可動域を広げる指上げ運動も良い練習です。握力の維持・向上には、やわらかいゴムボールやスポンジを軽く握る運動が有効です。
痛みがない範囲でボールを握りしめ5秒保持して離す、といった動作を繰り返すと握力筋(手のひらの筋肉や前腕の筋)を鍛えられます。反対に、輪ゴムや指専用のエクササイズバンドを指先にかけ、指を開く方向に押し広げる運動も取り入れると、指を伸ばす筋力もバランスよく鍛えられます。
ポイントは無理のない範囲で毎日続けることです。一度に長時間やる必要はなく、朝昼晩やテレビを見ながらなど、短い時間で構わないので継続しましょう。 - セルフマッサージやストレッチ方法: 自己マッサージやストレッチも自宅でできるケアとしておすすめです。まず、お風呂上がりや温水で手を温めた後など、筋肉がほぐれているタイミングで行うと効果的です。親指と人差し指を使って、反対側の指の第一関節周囲を優しくつまむようにして円を描くようにマッサージします。
関節周囲の筋や腱、軟部組織をほぐすイメージで、痛気持ちいい程度の圧をかけましょう。マッサージによって局所の血行が促進され、痛み物質の除去や組織の柔軟性向上につながります。
また、指全体を軽く引っ張るように牽引したり、関節を支点に小さく曲げ伸ばしするようなモビライゼーションも自己マッサージに含めると良いです。ストレッチとしては、指の屈曲・伸展方向への静的ストレッチがあります。例えば、片手の指で反対側の指先を持ち、ゆっくりと後方へ反らせてDIP関節を伸展方向に伸ばします(過度に痛みが出ない範囲で伸ばし、5~10秒保持)。
これによって、ヘバーデン結節で起こりがちな関節の伸びづらさ(伸展制限)の改善を図ります。逆に握り込む方向(屈曲)のストレッチは、手のひら側に指を曲げて第一関節を深く曲げ込み5~10秒保持します。
全ての指でこれを行い、普段使わない可動域を確保します。これらのストレッチは関節包や腱の柔軟性を保ち、動きのぎこちなさを減らすのに役立ちます。
痛みの強い時は無理に伸ばさないことと、ストレッチ前後には関節を温めておくと効果的であることに留意してください。セルフマッサージやストレッチは、短時間でも毎日行うことで徐々に効果が蓄積します。就寝前の習慣にすると、リラックス効果も相まって痛みの感受性が和らぎ、安眠にもつながるでしょう。 - 市販アイテムを活用した治療法: 現在、市販されている手指の健康グッズも多くあります。上手に活用すれば自宅リハビリの強い味方となるでしょう。
例えば、前述の握力ボールやフィンガーバンドは手軽に購入できますし、指のトレーニング専用のハンドグリップ器具やセラピューティックパテ(療法用粘土)も市販されています。こうした器具を使うことで、エクササイズのバリエーションが広がり楽しみながら継続できます。
また、温熱療法グッズとしては電子レンジで温めて繰り返し使えるホットパックや、家庭用のパラフィン浴セットも販売されています。パラフィン浴セットがあれば、自宅で手軽にロウによる温熱療法が行え、リウマチや関節症の患者さんにも人気です。
さらに、痛みの軽減には市販の消炎鎮痛効果のある軟膏やクリーム(インドメタシンやカプサイシン配合のもの)を塗布することも有用です。塗るタイプの鎮痛剤は飲み薬に比べて副作用が少なく、患部に直接作用するので、リハビリ前後の痛みコントロールに役立ちます。装具に関しても、ドラッグストアなどで購入できる指サポーターやテーピングテープがあります。
伸縮性のある指用サポーターは装着が簡単で日中の軽い保護に便利ですし、自分で関節に巻くテープは好きな強さで固定できる利点があります(皮膚かぶれに注意)。関節保護具として、シリコーン製の指リングや関節クッションも市販されており、指先に装着して衝撃を和らげたり変形部分を保護できます。生活を助けるアイテムとしては、先の太いペンや箸、開栓補助具、ボタンエイド(ボタン掛け補助具)など、指の負担を減らす自助具も多数存在します。これらは福祉用具店やインターネットで手に入ります。市販品を上手に利用し、「痛みが出にくい環境づくり」をすることもリハビリテーションの一環です。自宅でできることは積極的に取り入れて、日々のセルフケアにつなげましょう。
日々の生活で指を労る習慣を身につければ、再発予防や症状緩和に役立ちます。ヘバーデン結節は誰にでも起こり得る身近な関節のトラブルだからこそ、「歳のせい」とあなどらず正しく向き合うことが大切です。

動注治療を
豊田市で受けられる

この治療法は、症状の改善だけでなく、痛みを抱えた日常生活を取り戻す希望として、多くの患者様から期待を寄せられています。
愛知県で動注治療を受けられるクリニックはまだ限られていますが、当院はオクノクリニックとライセンス契約を結び、専門的な治療を提供しています。
へバーデン結節治療の新しい選択肢として、ぜひご検討ください。
動注治療で 84.5% が改善
オクノクリニックでは、動脈注射療法の効果を追跡するため、定期的に報告会を実施しています。最近のデータでは、治療を受けた方の84.5%が3ヶ月以内に痛みの自覚症状が改善したと報告されています。
この高い改善率は、動脈注射療法がヘバーデン結節の根本的な原因にアプローチし、痛みを効果的に和らげる治療法であることを示しています。


さらに、動注治療後1年間の116例を対象としたアンケート研究では、3ヶ月後に84.5%、6ヶ月後に72.5%、12ヶ月後に75%の方が症状改善を実感しています。この結果は、動注治療が持続的な効果を持つことを裏付けています。
多くの患者様が、この治療によって日常生活の質を取り戻し、新たな希望を見出しています。痛みや不調に悩む方は、ぜひ動注治療を選択肢の一つとしてご検討ください。
痛みの軽減と日常生活の改善を目指し、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しております。
もし「痛みが続いている」「改善が見られない」と感じている方はぜひご相談ください。ご予約はお電話またはウェブで承っております。ご来院心よりお待ちしております。
- 無料LINE相談 指の痛みや変形にお悩みの方へ
ヘバーデン結節を医師に相談したい、と感じたら以下のフォームよりお気軽にご相談ください。
お問い合わせフォームはこちら - 合わせて知っておきたい「ヘバーデン結節」の解説はこちら
ヘバーデン結節治療の最新ガイド(リンク先)
さらに詳しい解説や他の関節疾患についても紹介していますので、ぜひご覧ください。 - 当院で実施しているへバーデン結節への動注治療の解説はこちら
へバーデン結節への動注治療という新しい選択肢
当院で実施している、へバーデン結節への動注治療を解説します。
指の悩みを解決するヒントを見つけてみてください。