シェーグレン症候群は自己免疫(自分の免疫が自分の組織を攻撃してしまう疾患)です。シェーグレン症候群では、⾃然免疫とTypeⅠ/Ⅱ/(Ⅲ)IFNが大きく関わっています。
リスク因⼦→ ウイルスや環境因⼦
→ 腺上⽪細胞やpDCの活性化
→ IFN経路の活性化
→ BAFFの産⽣→ B細胞の活性化
→ B細胞の⾃⼰抗体を産⽣↑
→ 免疫複合体形成により免疫反応が継続
最近は、病態の理解により, 病態⽣理学的な個別化した治療が現実に近づいてきています。(まだ決まりきった画期的な治療はありません)
今日は、その中で、症状に応じた治療のRecommendationを紹介します。
Eular recommendation 2019
A. シェーグレン症候群患者は, 専⾨性の⾼いセンターあるいは密接に連携した施設で集学的に管理
B. 乾燥症状に対する1st approachは局所療法である
C. 活動性の全⾝症状がある場合に, Systemic therapiesを検討する
1. ⼝渇の治療開始時にベースラインの唾液腺機能を評価する
2. ⼝渇に対する第⼀選択は
軽度機能不全︓⾮薬物的唾液腺刺激
中等度機能不全︓薬物的唾液腺刺激
重度機能不全︓唾液代替療法
3. 眼乾燥症状の第⼀選択は⼈⼯涙液やゲル, 軟膏
4. 重度の眼乾燥症状には免疫抑制剤点眼, ⾃⼰⾎清点眼薬を検討
5. 併存する疲労や疼痛を特定のツールで定量化し, 重症度をつける
6. 筋⾻格系の痛みには鎮痛薬などを副作⽤を鑑みて使⽤する
7. 全⾝症状の治療はESSDAIを⽤いて, 個別臓器毎に⾏う
8. GCは活動性の全⾝症状に, 必要最⼩限の量・期間で⽤いる
9. 免疫抑制薬はGCスペアリングとして⽤いるべきで, 現時点で特定の薬剤を⽀持するエビデンスはない
10. B細胞を標的とした治療は重症あるいは難治性の全⾝症状に⽤いる
11. 全⾝の臓器別の治療では, GC, 免疫抑制剤, Biologicsを順次または併⽤して使⽤
12. B細胞性リンパ腫の治療は, 特定の組織学的なsubtype, 病気に応じて個別に⾏う
乾燥症状に対する治療は、対症療法的な治療が推奨されています。
リンパ節腫脹や関節痛・関節炎や皮膚・肺の推奨です(※一部は日本の医療保険では保険収載させていないものがあります)
腎臓・神経・血液に関してです。
シェーグレン症候群に関しては、
・現在どのような症状が出ているかの評価
・症状や病態に応じた治療
が大切になります。