シェーグレン症候群

シェーグレン症候群とは

シェーグレン症候群は、自己免疫反応(本来は外的と戦うための免疫システムが、自分の体を攻撃してしまうこと)によって唾液腺や涙腺などの分泌腺が障害される病気です。

唾液腺が障害されると「ドライマウス」涙腺が障害されると「ドライアイ」という症状がでます。

有病率は0.5~5%といわれています。

 

女性が男性の9倍の発症率で、閉経前後の女性に多くみられる疾患です。ドライアイやドライマウスが最もよくみられる症状ですが、全身が「乾く」病気です。

乾燥症状のみのことも多いですが、皮膚病変や関節炎をおこすことや、肺や肝臓、腎臓、神経などの臓器が障害されることもあります。関節リウマチなどの膠原病や甲状腺や肝臓などの自己免疫疾患が合併することもあります。

 

シェーグレン症候群の検査について

シェーグレン症候群を疑う症状や所見がある場合には、まずは外来で簡便に行える抗体検査やガムテストをおこないます、必要に応じて眼科に受診していただいてシャーマーテスト、ローズベンガルテストといったドライアイの有無の検査、唾液腺シンチグラフィーという放射性物質をつかった検査、耳鼻咽喉科などで唾液腺生検という唾液腺の組織を調べる検査をおこなっていただくことがあります。

 

シェーグレン症候群の治療について

乾燥症状に対しては日常生活での注意に加え、症状が強い場合には涙液や唾液の代用となる薬や分泌を促進する薬での対症療法をおこなうことが治療の中心になります。

腺外症状の重症度によってはステロイドや免疫抑制薬を中心とした治療を行うことがあります。

 

日常生活での注意

重い臓器障害がなければ通常の日常生活に制限が必要ないことがほとんどですが、涙液や唾液の分泌が少ないため、目の表面の角膜の障害や齲歯、舌の荒れがおこりやすくなります。角膜の障害を避けるため、長時間の読書やコンピューターの使用を避ける、点眼薬を適宜使用するということが大切です。齲歯の予防のためこまめに水分をとる、口腔内の衛生を心がけるなどが大切です。