ウゴービ®の肥満症に対する保険適応承認とメディカル痩身について

セマグルチド(ウゴービ®)が保険収載されます。今後処方が可能になりましたら、当院でも相談を取り扱います。


ウゴービ®皮下注は、ノボ ノルディスク社が作った薬で、GLP-1受容体作動薬に分類されます。GLP-1は小腸から分泌されるホルモンで、血糖降下効果や食欲を抑制する効果があります。ウゴービ®皮下注に含まれる有効成分のセマグルチドは、GLP-1受容体を刺激して食欲を抑えることが期待され、肥満症患者に効果があるとされています。

日本では、肥満または過体重の患者を対象にした3つの臨床試験が行われ、有効性と安全性が確認され、2023年3月に承認されました。海外では、「Wegovy」という名前で、2021年6月に米国、2022年1月に欧州で体重管理の効果が認められて承認されています。

同じ有効成分を含む注射剤のオゼンピック®皮下注や、経口剤のリベルサス®錠は、2型糖尿病の治療薬として承認されていましたが肥満症に効果があることは海外でわかっていたものの、これまでは保険収載されていませんでした。

効能・効果

肥満症(ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る)


① BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する。
② BMIが35kg/m2以上

日本では、肥満を治療する方法として、食事、運動、行動を改善する生活習慣の改善が3〜6ヶ月間推奨されています。もし生活習慣の改善で体重が減らないか、合併症が改善しない場合は、薬物治療を考慮することが勧められています。

肥満症の診断基準は、BMIが25kg/m2以上で、健康障害がある場合や高リスク肥満(内臓脂肪型肥満)の場合です。BMIが27kg/m2を超えると、肥満に関連する合併症の数や死亡率が増加する傾向があります。日本人に多い内臓脂肪型肥満では、複数のリスク因子が重複し、心血管疾患のリスクが高くなります。

したがって、BMIが27kg/m2以上で合併症を持っている肥満症患者には、薬物治療が検討されます。ウゴービ(セマグルチド)は、高血圧、脂質異常症、または2型糖尿病を持つ人における、肥満治療の第III相試験(東アジア第III相試験、4382試験)で効果と安全性が評価されました。

用法及び用量


ウゴービ®皮下注は、肥満症の治療薬で、セマグルチドという有効成分を含みます。成人の場合、最初に0.25mgから週に1回皮下注射を行い、4週間ごとに0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mgと順に量を増やしていきます。その後、最大で2.4mgを週に1回注射するようになりますが、患者の状態によっては適宜量を減らす必要があります。