オレンシア(アバタセプト)の効果、どのような薬剤か解説します。

オレンシア®とはどんな薬?

オレンシア®は、関節リウマチの治療に用いられる注射のお薬です。

生物学的製剤とも言われ、関節リウマチの「痛み」や「腫れ」を取ることに加え、関節の変形を抑える効果も高い薬剤です。

「注射製剤」というと、針が付いた注射のような見た目を想像される方もいらっしゃいますが、実際の見た目は下の絵のような見た目で、「握ってボタンを押す」という操作で、注射をすることができます。

オレンシア®はなぜ効くの?

アバタセプトは、抗原提示細胞とT細胞の間のシグナル伝達を抑えることで、作用します。

関節リウマチでは、滑膜細胞が増殖し、滑膜肥厚、軟骨への浸潤がおこります。血管も造成され、またそこに多数の好中球、T細胞(CD4陽性)、B細胞があつまります。さらに進行すると、滑膜は絨毛上に増殖し、パンヌスとよばれる組織を形成すします。オレンシアは、その中でT細胞が上図のように炎症をおこしているのを止める作用があります。

オレンシアと抗CCP抗体(抗シトルリン化ペプチド抗体)

抗CCP抗体陽性は、関節の変形にかかわる最も大きなリスク因子です。

オレンシアは、その自己抗体産生の経路にも作用します。

そのため、抗CCP抗体が高い例でより有効という報告があります。

AMPLE試験のサブ解析では、抗CCP抗体の抗体価で4つにグループを分けたところ、抗CCP抗体価が高い群では、アダリムマブ(ヒュミラ)より成績が良かったとのデータでした。

オレンシア® の効能や効果は?

様々な研究が出ていますが、他の生物学的製剤と同等という報告が多いです。

また、関節破壊(関節の変形)を抑える効果も、高い効果を示しています。

オレンシアはどんな患者さんに向いている?

関節リウマチの注射製剤は、沢山の種類があります。

それぞれの注射に特徴があります。注射ごとの利点による使い分けがされています。

オレンシアの場合は、

・感染症のリスクが少し低い可能性があること

関節リウマチで感染症発症のリスク因子に -ORA registry−という研究があります。これは、アバタセプト使用中のRA患者の重症感染症を調べた研究です。


・重症感染症・・・入院要する、静注抗菌薬使用、死亡

多変量解析の結果、以下が重症感染症と関連すると報告されました。

・高齢(10歳毎にhazard ratio:1.44 95% CI 1.17-1.76)
・過去/反復する感染症歴(hazard ratio:1.94 95% CI 1.18-3.20)

年齢が上がるに連れ、感染症は増えていくため、高齢者、過去/反復する感染症歴があるRA患者では、感染症に十分注意が必要です。そういった場合、オレンシアが選ばれることが多いです。

生物学的製剤の選択:バイオフリー(将来生物学的製剤の注射を卒業する)

バイオフリー(将来生物学的製剤の注射を卒業する)を目指す場合、中止の研究結果があるかどうかが大切です。

中止のstudyがある

  • インフリキシマブ
  • アダリムマブ
  • セルトリズマブ
  • アバタセプト
  • トシリズマブ

減量のstudyがある

  • エタネルセプト
  • アバタセプト
  • セルトリズマブ
  • ケブザラ
  • トシリズマブ

オレンシア(アバタセプト)は、どちらかというと安定して継続できることがメリットと考えています。

オレンシア 薬価

・メトトレキサートが使用できない場合
・TNF-α阻害薬で効果が乏しかった場合の変更先
・抗CCP抗体が高力価の時
・生物学的製剤を始めたいが、年齢や持病で感染リスクが心配な時

などに選ばれることが多い生物学的製剤です。