透析患者さんや腎臓が悪い方に対しての関節リウマチ治療を解説します。

関節リウマチは100人~200人に1人の疾患です。

透析診療を受けている患者様の中にも、関節リウマチの治療が必要な患者さんもいらっしゃいます。

ですが、腎臓が悪い方への関節リウマチ診療は躊躇されるケースも少なくありません。

 

当院院長である高杉は、リウマチ専門医に加えて腎臓専門医の資格も持っているため、両方に配慮した診療を心がけています。

 

透析患者さんでも使用できる薬剤や、透析患者さん特有の注意点を交え、解説致します。

 

 

腎臓が悪いと使えない抗リウマチ薬

関節リウマチ治療のアンカードラッグ(鍵となる薬)と言われるメトトレキサートは、腎機能障害が進行している患者さんでは使用できません。

eGFR<30で禁忌に該当します。

そのため、メトトレキサートなしでの治療を考えていきます。

 

透析患者様は、少し免疫機能が低下していることが多い

 

上記は、活動性結核の発症リスク比をみたものです。

腎臓が悪くなると、免疫機能が低下し、透析になる直前の尿毒症の状態が最も感染リスクが高くなり、透析に移行すると少し改善すると言われています。

 

結核に対してはの、リスク要因のない人との相対危険度は

生物学的製剤使用・・・4

血液透析 ・・・・・・ 10

となるため、感染症には特に注意が必要です。

 

 

血液透析患者さんでも関節リウマチの治療を積極的に検討するべき理由

関節リウマチは、

1.関節の痛みと腫れが出る

2.治療が遅れると、関節の変形がおこってくる

という疾患であるため、治療をする必要があります。

 

 

リウマチの状態が悪い(痛い関節が多い・腫れている関節が多い)という状態も、実は感染症のリスクが高くなる状態です。

 

治療をしてよい状態を保っていることは、感染症のリスク管理の点からも良い面があります。

 

 

血液透析における関節リウマチで行う治療

サラゾスルファピリジン・・・透析でも使用可

ブシラミン・・・蛋白尿が出る疾患のため、腎不全では使用禁忌だが、自尿がなくなった場合週3で100mg使用するという方法がある(添付文書の確認を)

 

 

 

生物学的製剤

生物学的製剤は、腎障害があっても使用可能です。ただし、感染症リスクを少しでも下げるよう、薬剤は選びます。

当院では、アバタセプト・エンブレルなどの週1回製剤から使用を検討することが多いです。

 

 

 

Seminars inArthritisandRheumatism46(2017)418–422

 

日本のデータではありませんが、Seminars in arthritis rheumatismというインパクトファクター4点くらいの雑誌です。

ステロイドを使用していることが多く、抗リウマチ薬の投与が少ないといえます。

A minority(27%) of patients with RA received Care by a rheumatologist.
There were significantly more RA patients who filled a prescription for biologics who received care by a rheumatologist(63.6%) than those who received care by other subspecialists(35.5% )(p<0.01).There were significantly more RA patients who filled prednison who received care from a subspecialist other than a rheumatologist(65.5%) compared to those who received care by a rheumatologist(34.5%)(p<o 0.01)

Care by a rheumatologist was a predictor of filled prescriptions for biologics while other physician specialty care predicted corticosteroid prescriptions.

RA患者のうち、リウマチ専門医の診療を受けた患者は27%と少数派であった。
生物学的製剤の処方を受けたRA患者のうち、リウマチ専門医によるケアを受けた患者は63.6%で、その他のサブスペシャリストによるケアを受けた患者は35.5%と有意に多かった(p<0.01)。プレドニゾンを処方したRA患者のうち、リウマチ専門医以外のサブスペシャリストによる治療を受けた患者は65.5%で、リウマチ専門医による治療を受けた患者(34.5%)と比較して有意に多かった(p<o 0.01)

リウマチ専門医によるケアは生物学的製剤の処方の予測因子であり、その他の専門医によるケアはコルチコステロイドの処方の予測因子だった、

 

というデータになります。

 

将来の変形抑制や、リウマチの活動性全体のコントロールのためには、リウマチ医による【関節炎の評価】や【治療の組み立てを検討】する余地がまだあると考えています。

 

関節リウマチでお困りの際は、いつでもご相談ください。腎臓が悪い方や癌の既往がある方でも、それぞれに応じた治療の戦略を立てることが可能です。

お困りの際はご相談ください。