プレシニア世代とは、シニア世代に入る前(40代~50代)の世代を言います。
関節リウマチの治療を考える中で、
・生物学的製剤を使用するかどうか
・バイオフリー(将来生物学的製剤を止められるか)の可能性
・感染症の合併確率
を意識して治療していきます。
例えば、生物学的製剤で気を付けるべき「感染症のリスク」は、年齢が高くなるほどリスクがあがるとされています。
プレシニア世代は、シニア世代と比べて若いため、シニア世代よりもリスクが少ない方が多いと考えます。
そういった状況下で、シニア世代に入る前に関節リウマチの状態を良くするという考え方で、「プレシニア世代の関節リウマチの治療戦略」が注目されています。
TNF製剤という種類の生物学的製剤は、メトトレキサート併用で効果を発揮しやすい薬剤であり、バイオフリー(将来生物学的製剤を中止できる確率)が、他の生物学的製剤やJAK阻害薬よりも期待されている薬剤です。
関節リウマチにおけるメトトレキサート内服率は70%前後と言われていますが、プレシニア世代ではメトトレキサートの使用率が70%よりも高いと言われています。そういった事情もあり、プレシニア世代のうちに、治療戦略を整える(例えばメトトレキサート併用で生物学的製剤を併用しておくと、将来的に良いのではないかなど)、という考え方があります。
関節リウマチの治療方針は、人生軸を含めて考えていく必要があります。プレシニア世代の治療方針という考え方は、それに沿った大切な考え方だと考えています。