関節リウマチは、自己である関節の組織に炎症を起こし、骨や軟骨などの構造物を破壊する疾患で、自己免疫疾患の一つです。
免疫は、本来は体内に侵入してきた病原体などを攻撃するための働きを持っています。
そして、免疫は、本来「自分の体」を攻撃しないようしないように制御されています。
関節リウマチは、本来攻撃しないはずの自分の組織(関節)を、間違えて攻撃してしまうようになった病気です。
そのため、免疫を調整する「免疫調整薬」や免疫を抑制する「免疫抑制薬」が治療に使われます。
自己免疫疾患と膠原病と関節リウマチ
関節リウマチは、自己免疫疾患です。自己免疫疾患は色々な病気があり、例えば甲状腺を免疫系が破壊してしまう橋本病が、世界で初めて報告された自己免疫疾患です。そのほか、全身の多臓器に自己免疫系の炎症と障害を起こす疾患として膠原病が知られており、それぞれの病気が色々な症状を起こしてきます。診断を付けること・免疫の調整を行うことが大切なため、リウマチ膠原病疾患として同じ専門医が診療にあたっています。膠原病という名前が分かりにくいのですが、実際には膠原病≒自己免疫疾患です。関節リウマチも自己免疫疾患であり膠原病の一つとして研究されています。
関節リウマチの関節の中では、免疫により関節が攻撃された結果、「滑膜」という組織が増えていき、増えた滑膜が骨を攻撃していきます。
関節リウマチは
① 関節の痛み・関節の腫れを起こす病気
② 将来関節の変形・構造変化を起こす病気
です。痛みと腫れを抑えることと、将来の変形を抑えること、この両方を考えていく必要があります。
関節リウマチの変形
関節リウマチでは、尺側変異、亜脱臼、槌指変形、などの変形が見られ、変形が進行すると戻すことは難しくなってきます。
そのため、早期発見・早期治療が大切です。
関節リウマチと発症年齢と罹患率
関節リウマチは30代から50代の女性が発症することの多い疾患で、日本では女性の約100人にひとり、男性の約400人にひとりが発症すると報告されています。
関節リウマチと治療
関節リウマチは、早期診断・早期治療で寛解状態とすることで、関節破壊を抑制することができるようになってきました。
そのため、早期診断のため、是非リウマチ専門医への受診をお勧め致します。