関節リウマチの患者さんの治療状態を評価するうえで、関節超音波(関節エコー検査)は有用な検査です。
ですが、関節超音波検査は検査時間もかかるため、全関節を毎回行うことは現実的ではありません。
当院では、症状のある関節のフォローアップ+7-joint ultrasoundまたは5-joint ultrasoundを中心としてフォローをしていることが多いです。 7-joint ultrasound は、上の図の赤い○を検査します。
このページでは、7-joint ultrasoundというエコーの評価部位について解説します。
寛解している状態が、再発しにくいかどうか、という指標として見る7箇所の関節エコー
寛解している関節リウマチ患者さんが、1年後に再発しているかどうか評価する研究では、 7-joint ultrasound の7つのうち7つとも滑膜炎がない状態を、USスコア=0と定義しています。
潜在性滑膜炎のない(US7スコア=0)関節患者は78人で、そのうち8人が再発した(再発率10.26%)
潜在性滑膜炎のある(US7スコア≠0)関節リウマチ患者は108人で、そのうち52人が再発し(再発率48.15%)
と、US7スコア陰性の患者さんの方が再発が少なかったという報告があります。
全ての関節が、上記のような滑膜の炎症を改善させるべきかどうか、まだ議論が別れるところです。
ですが、薬剤の減量などの参考になる評価方法として、上記の部位のエコーは大切な部位です。
このページでは、関節超音波で見るポイントになる7箇所について解説しました。