MTP5(足の小指)の骨びらんを検査する意義(抗CCP抗体陽性とMTP5erosion)

抗CCP抗体陽性で、でもまだ関節リウマチは発症していない、と言われた場合、足趾の5番目の指(いわゆる小指)の骨びらんがあるかどうかが、将来の関節リウマチ発症を予期できる、という論文(https://ard.bmj.com/content/79/7/901)があります。


臨床的な滑膜炎を持たない抗シトルリン化ペプチド抗体陽性(CCP+)患者で、超音波(関節エコー)で骨びらんの有病率と分布、潜在性滑膜炎との相関、炎症性関節炎の発症との関連性を調査したものです。

419人のCCP抗体陽性の方を調べ、この中で第2、第5中手指節関節、第5中足指節関節(MTP5)を評価しています。

骨びらんは、41/419名(9.8%)で認められたと報告されています。骨びらんはMCP関節よりもMTP5関節で有意に高い結果でした(p<0.01)。

MTP5関節の骨びらんがあると、将来の炎症性関節炎の発症になりやすさはOR: 10.6、MTP5で 1関節以上の骨びらんと滑膜炎 5.1)。

抗CCP抗体陽性の患者さんで、足の骨びらんは、臨床的滑膜炎の発症に先行する可能性があるとされます。

もし抗CCP抗体陽性で、まだ関節リウマチが発症していないと他院で言われた患者さんは、一度当院でMTP5の関節エコーで骨びらんの有無を評価してみると良いかと思います。

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