当院の理念のインタビュー記事を紹介します。

開院の想いをインタビューいただきました。下記がインタビュー記事になります。

名鉄三河線土橋駅から徒歩約5分の住宅街の一角にある「豊田土橋リウマチクリニック」。明るい待合室と広めの診察室は、患者がリラックスして過ごせそうな雰囲気だ。院長の高杉浩司先生は穏やかな笑顔と情熱を兼ね備え、日本リウマチ学会リウマチ専門医の資格を持つ。リウマチ治療の話題になると熱い思いを語るその姿からは、リウマチ専門医としてのプライドがうかがえる。20代から60代の働く世代の通いやすさを重視して、平日夜や土曜午後にも診療を行う完全予約制の同クリニック。アプリで予約から決済まで完結できるほか、高杉院長によるかかりつけ患者専用のLINE相談も実施し患者の快適さを追求している。「リウマチは一生付き合う可能性がある病気だからこそ、最初の2年が大切」と語る高杉院長に、早期診断の重要性や患者への想いを聞いた。

（取材日2022年8月5日）

働く世代のリウマチ治療に特化し開業

クリニックの特徴について教えてください。

当クリニックは20代から60代の働く世代に特化したリウマチ専門のクリニックです。働く世代でも仕事を休まずに通院できるように、平日の夜や土曜の午後にも診療を行っています。アプリを使った完全予約制で、待ち時間や患者さん同士の接触が最小限になるよう工夫しています。リウマチは完治しないといわれる病気ですが、早期診断と早期治療によって初期の段階で適切な治療を受けることが大切。この病気は例えるなら火事のようなもので、小火のうちに鎮火するように対処することで症状の悪化防止が期待できるのです。ですから、自分のことを後回しにしてしまいがちな働く世代の方でも受診しやすい環境を整えることで、早めに適切な治療を受けていただきたいと思います。

高杉院長お1人ですべてこなされているそうですね。

そうなんです。スタッフが沢山いれば診察できる患者さんの数は増えるのですが、その分一人ひとりにかける時間が制限されてしまうと思います。関節リウマチで通院している方の中でも、医師からしっかり病気の説明を聞いたことがない、という方が沢山いらっしゃる現状を変えたいと思いました。保険証を出す手のしぐさ、歩き方など、痛みが残っていると見えるサインがあります。それをしっかり見ていきたいと思いました。そのため、今のところは私一人ですべてを行っています。とてもプライベートなクリニックだと思います。その中でも、なるべく待ち時間の少ないクリニックをめざして、完全予約制の採用、アプリによる予約、受付や決済、かかりつけの患者さん限定のチャット相談を導入しました。リウマチでは治療薬を処方することもありますが、年齢や基礎疾患によって副作用のリスクが異なります。全世代を対象とするクリニックもありますが、当クリニックでは20代から60代の方が中心です。その年齢層に特化した治療の提供により、通院される患者さんにとって最適な状態をめざしています。

どんな想いで開業されたのでしょうか。

働く世代にとって便利なリウマチクリニックがあればいいなという想いで開業しました。もともと医師を志していた私ですが、後期研修医の頃に母がリウマチに罹患したことがきっかけで専門を決めました。リウマチは生涯付き合っていく病気だからこそ、患者さんにはリウマチ専門のクリニックで適切な治療を受けていただきたい。そのためには働く世代の受け皿になるようなクリニックが必要ですから、平日夜や土曜午後に診療時間を設けました。院内も関節に痛みを抱える患者さんに配慮した造りにしています。車で通えて土足OKで段差のない院内に、立ち上がりやすく肘掛けのある椅子。つらい痛みや病気への不安を抱える患者さんにも、院内では少しでもリラックスして過ごしていただければうれしいです。

理想はリウマチがあっても日常生活や仕事を続けられること

治療までの流れについて教えてください。

初診は問診をもとに30分を目安としてじっくりリウマチのご説明をしています。あまり知られていない専門的な内容は、パンフレットを用いて患者さんが理解しやすいように工夫することもあります。些細なことが診断のヒントになることもあるので、患者さんの何げない言葉や動作、体重の乗せ方など自然な状態も見逃さないようにしています。リウマチの正しい理解や医師への信頼、治療への納得感があって初めて治療効果も期待できるはず。実は患者さんへのメンタル面のケアにも配慮したいと思い公認心理師の資格も取得しました。患者さんがリラックスして話しやすい環境づくりに配慮し、安心して治療に入っていただけるようサポートしていきます。

リウマチは完治しないと聞きますが。

リウマチには「完治」ではなく「寛解」という考え方があります。当クリニックが目標としているのが「社会的寛解」。これはリウマチがあっても病気とともに生活ができている状態です。痛みと腫れのない状態、これを「臨床的寛解」、リウマチでも変形しない状態、これを「構造的寛解」と言い、この2つを達成してから、リウマチとともに生活できる社会的寛解をめざします。働く世代がリウマチになっても仕事を諦めなくていいように、仕事や生活を含め総合的に患者さんにとって最適な状態を実現したいと考えています。リウマチ発症の原因は解明されておらず、喫煙や歯周病、遺伝などさまざまな要素がありますが、どんなに気をつけても予防することができないといわれる病気です。身近な病気である一方で、正しい認識はまだまだ広まっていないことも事実。不安のある方はぜひ早めに受診していただき、関節エコー検査を受けることをお勧めします。

関節エコー検査について詳しくお伺いします。

関節エコー検査では、自覚症状がない状態でも関節の腫れ状態を確認することができます。関節リウマチ発症には前段階があり、その段階でリウマチのリスクがあるかどうかや、リウマチ治療の経過観察でもこの検査を行います。患者さん自身でモニターを見て関節の状態を確認できるので、一緒に治療方針を決める良い材料にもなっています。関節エコー検査をお勧めするのは、リウマチ検査で陽性になったものの関節の腫れがまだない方や、関節がこわばったり痛い箇所が増えてきた方、治療をしているけど、まだ痛み残っている方。検査は痛みを感じることもないので手軽ですし、状態をリアルタイムに確認しながら納得感を持って治療に臨んでいただければと思います。まだリウマチの診断がない方でも、早期診断を目的として数ヵ月おきに検査を受けていただくことも可能です。

患者の安心感を大切に丁寧なケアを心がける

診療で心がけていることはありますか。

患者さん一人ひとりにじっくり時間をかけて寄り添い、メンタル面も含めた丁寧なケアに力を入れています。今までに治療の全体像やリウマチの根本的な説明を受けず、曖昧なままに治療を続けてきたケースもあると感じます。そういった状態では治療に対する不安もあるはず。初診で時間を取ってリウマチや治療について筋道を立てて説明することで、患者さんの不安もある程度は払拭できるのではないでしょうか。また患者さんの中には経済的負担から治療を躊躇してしまう方もいます。場合によっては国や会社からの制度を利用できますから、社会制度の利用も含めて患者さんを包括的にサポートしています。患者さんにとって何が最適な状態なのかを常に考えることが大切ですね。ご本人が安心して治療を続けられることが、結果的に病気にとっていい方向に進むことにつながると思います。

リウマチでは早期診断が大切なのですね。

特に最初の1、2年が非常に重要です。世間にはリウマチに関する特集や記事がたくさんありますが、まだまだ発症の初期段階で受診する人は多くないのが現状。リウマチは人生という長い時間軸の中で付き合っていく病気ですから、ぜひ精密な検査と専門の医師による診断、治療を受けていただきたいです。医師としては患者さんの将来をお預かりしているという緊張感と責任感を持って治療に携わっています。リウマチとともにうまく付き合いながら生きるためには早期の適切な治療が鍵。この20年あまりでリウマチ治療もずいぶん進歩しましたから、患者さんには諦めずに受診してほしいです。適切な治療法や薬を一緒に考えていきましょう。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

私の最終目標はリウマチによる離職を減らすこと。リウマチを持つ20代から60代の若い方に、仕事を諦めることなく普通の生活を楽しんでいただけるようサポートしていきたいと考えています。リウマチ治療には正しい知識が欠かせませんから、不安がある方は一度受診することをお勧めします。当クリニックでは、患者さんと一緒に病気について考えて、その方にとって適切な状態を保てるようにお手伝いをいたします。リウマチがあっても適切な治療を受けることで将来を大きく変えることができると考えています。いい状態を保つ「社会的寛解」には早期診断と早期治療がとても大切ですから、どんな小さな疑問でもお気軽にお尋ねください。

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