関節リウマチ治療におけるシムジア®の特徴と使い分け

シムジア®(セルトリズマブ)は、関節リウマチの治療に用いられる注射のお薬です。

生物学的製剤とも言われ、関節リウマチの「痛み」や「腫れ」を取ることに加え、関節の変形を抑える効果も高い薬剤です。

「注射製剤」というと、針が付いた注射のような見た目を想像される方もいらっしゃいますが、実際の見た目は下の絵のような見た目で、「握って押しつける」という操作で、注射をすることができます。オートクリックスという注射形態で、とても使いやすいです。

 

 

シムジア®はなぜ効くの?

上記は、関節リウマチの炎症の原因を模式化したものです。TNF inhibitorsというなかに、シムジア(上図だと、certolizumabがシンポニーに該当)があります。

関節リウマチの炎症の流れを止めて、治療するイメージになります。

シムジアの効能や効果は?

 

 

シムジアはどんな患者さんに向いている?

関節リウマチの注射製剤は、沢山の種類があります。

それぞれの注射に特徴があります。注射ごとの利点による使い分けがされています。

シムジアの特徴は、抗体の形(Yの形)をとっていないことです。

TNF-α阻害薬は5種類ありますが、大きく使い分けると3つに分類します。

Yの形(ヒュミラ・レミケード・シンポニー)
Vの形(エンブレル)
/の形(シムジア)

ざっくりとした表現になりますが、Yの形の薬は、バイオフリー(将来生物学的製剤の注射を卒業する)を目指して治療を行う場合に選ばれることが多いです。 /の形 は、胎盤通過性が低い特徴が、妊娠や授乳などの際に有利に働きます。

 

 

ACRのreproductive health Guideline2020より

※アメリカリウマチ学会からの推奨のため、個々の薬剤の日本における使用は、日本の添付文書を参考に主治医と相談する必要があります。

 

 

 

TNF阻害薬の効果を発揮する機序は2つあり、エタネルセプト(エンブレル)やセルトリズマブペゴル(シムジア)は、補体を介したCDCの作用機序がないことが、バイオフリーの達成率に関わっているのではないか、と考えられています。

 

ゴリムマブも、理論上はその機序を持っている薬剤と考えられます。

 

生物学的製剤の選択:バイオフリー(将来生物学的製剤の注射を卒業する)

上記の作用機序から、バイオフリーを目指す戦略の場合にも組み込まれます。

 

シンポニーとヒュミラの使い分けー二次無効ー

ヒュミラを使う際には、二次無効(はじめは効果があったが、次第に効果が薄れてしまう)を防ぐことが重要です。

上の表は、緑が病勢、赤がニ次無効の出現しやすさです。ヒュミラの場合は、aのように、病勢をしっかり抑えきれると、二次無効が出現しにくいですが、病勢が良くなった時に自己中断して病勢がぶり返すようなときに、二次無効が起こりやすいとされています。

 

シンポニーとヒュミラの差は、完全ヒト化抗体か、そうでないかです。

シンポニーは、マウスの蛋白を有さないヒト型抗体とされ、結果的に継続率が高い研究結果があります。

 

継続率が他剤よりも高い傾向にあります。

 

二次無効が少ないということは、一度中止してみる(バイオフリーを試してみる)際に、メリットになります。

バイオフリーを目指す場合、戦略に沿って中止を試みてみる必要があり、その戦略が取りやすい製剤といえます。