メトトレキサートの治療中には、しばしば脱毛の症状が出現する方がいらっしゃいます。
海外の報告では、約6%の方が、脱毛により治療方法の変更やメトトレキサートの減量などを必要としたという報告があります。
Prevalence of hair loss between our patients (6%) incomparison with the study by Kara et al which shows the 6.6% hair loss in Caucasian race and 14%
Our analysis shows that the common side effects which made us to dose reduction or drug discontinuation among our 300 patients were nausea (23%), flu-like symptoms (8%), hepatotoxicity (12%) and hair loss (6%).
我々の研究では約6%の患者が、約6%で脱毛による副作用で治療の変更や減量を要した
(Immunopathol Persa. 2021;7(2):e38)
もし、メトトレキサート内服中に脱毛でお悩みの場合は、まず皮膚科への受診を勧めます。
その理由は、脱毛を起こす他疾患の原因ではないか評価のためです。
脱毛を起こす疾患は複数あり、それらの原因の除外後に薬剤性を考えます。
そして、メトトレキサートが原因の可能性が高い場合、メトトレキサートと葉酸の量調整を検討します。
①関節炎の程度
②治療経過
によって、減量ができる場合は検討します。
また、脱毛の、【悩みの深さ】【重要度】について、相談が必要だと私は考えています。
Shared decision making「協働的意思決定」という考え方で、
価値観も踏まえた、最適な治療方針を一緒に検討する方法です。
価値観の中で、脱毛という問題が重要であるのであれば、それに対する方法を提案します。
(メトトレキサートの減量や、脱毛の鍼灸(併設鍼灸院での育毛鍼)、メトトレキサートなしの薬剤治療へ変更など)
できることはたくさんあり、相談していただいて解決いただく場合もあります。
もし、あなたにとって脱毛が大事な問題点だ、という場合は
①皮膚科で病的脱毛がないか相談
②メトトレキサートの容量相談(そのためには疾患活動性の評価が必要)
③協働的意思決定(医師と相談)
をなさってください。
当院でも、そういった治療の方向性の相談を承っております。
初診は30分ご用意し、疾患活動性の評価から治療方向の相談まで承っております。(お薬手帳があれば紹介状がない場合でも相談に乗ることが可能です)