関節リウマチ治療を安全に行うために【肺炎球菌ワクチンのすすめ】

関節リウマチの治療を安全にすすめていくために大切なことに

感染予防をしっかりと行っていくこと

があります。

関節リウマチの場合、ぜひ受けていただきたい感染予防の一つが、肺炎球菌ワクチンです。

関節リウマチや関節リウマチ治療薬と感染症リスク

こちらは、関節リウマチ治療薬と感染症リスクの一覧表です。

諸説ありますが、上記の表では、1を基準として、それぞれの薬のリスクを表しています。

・メトトレキサート(上記では1未満になっていますが一般的には感染予防対策を実施すべき)
・ステロイド
・生物学的製剤
・JAK阻害薬
・関節リウマチの関節炎が強い場合

は、感染症のリスク対策として、肺炎球菌ワクチンを勧めます。

関節リウマチの安全に治療するために、肺炎球菌ワクチンの接種をおすすめします。

肺炎球菌ワクチンの効果や副作用

日本におけるニューモバックスの研究はこちらが参考になります。

重症の肺炎球菌感染症のリスクをプレベナーだと45%減らすとされています。

13、23という数字が付いていますが、90種類くらいある肺炎球菌の細かい分類型の、特に重症な感染症を起こしやすい型に対してのワクチンになります。

13の方が少なく見えますが、効果が強いとされており、また両方打つことでブースト効果という増強効果も期待されるため、65歳以上では両方の接種が推奨されています。

副作用は一般的なワクチンで注意するような内容になります。

ワクチンは、接種メリット>デメリットですので、一般的にはトータルのリターンが上回っていると考えられています。

65歳よりも若い時でも肺炎球菌ワクチンを打ったほうがよい?何歳から打つべきか

こちらは、CDCのガイドラインからの抜粋です。赤枠が肺炎球菌(Pneumococal)です。

65歳未満の方の肺炎球菌ワクチン

Pneumococcal Vaccine Timing for Adults greater than or equal to 65 years (cdc.gov)

肺炎球菌ワクチンは、かつてはPPSV23(ニューモバックス)とPCV13(プレベナー)の2種類でしたが、これからPCV20やPCV15(バクニュバンス)が出ることになり、CDCの最新のものでは、上記のようなガイドラインになっています。

(PCV20は未発売です)

※上記のIatorogenic immunosupressionという状態が、生物学的製剤などの使用のコンディションに相当します

今後、PCV15→PCV23(ニューモバックス)か、PCV23(ニューモバックス)に日本のガイドラインが変化するかは確認が必要です。ですが、19-64歳でも、関節リウマチで生物学的製剤を使用するような場合や、基礎疾患があり感染対策を強化したい場合には、65歳未満でも肺炎球菌ワクチンの接種を勧めます。

65歳未満でも、生物学的製剤や感染リスクが高い場合は、肺炎球菌ワクチンの接種を勧めます。

65歳以上の肺炎球菌ワクチン(追加接種のプレベナーとバクニュバンス)

新たな肺炎球菌ワクチンとして、PCV15:沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン「バクニュバンス®水性懸濁注シリンジ」
発売日:2023年4月10日 成人に対するPCV13(任意接種)の代わりの選択肢として販売されました

PCV15 と PCV13 の安全性と免疫原性を比較した第3相、多施設プラセボ対照二重盲検比較試験が日本を含む複数国で実施された。その結果、両ワクチンの有害事象は注射部位の疼痛、易疲労感と筋肉痛であり、PCV15 は PCV13 に対し非劣性を示した。免疫原性(オプソニン活性、IgG 抗体)に関しては、PCV15 は PCV13 に対して、共通する 13 血清型については非劣性を示した。一方、PCV15 は PCV13 の含有血清型に 22F、33F の 2 血清型が追加されているため、PCV15 は PCV13 に対し、22F、33F の 2 血清型に関して優位性を示した。さらに、PCV15 は PCV13 に対し、血清型 3 に対しても優位性が示された

65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第4版 2023年3月24日) (jrs.or.jp)

65歳以上の方で、生物学的製剤を使用する患者さんや糖尿病などの持病をお持ちの方は、プレベナーやバクニュバンスの追加接種をおすすめします。

65歳以上のすべての成人、および感染症のリスクに注意するべき19~64歳の成人で、過去に肺炎球菌ワクチンを受けたことがない、または過去の接種歴が不明な成人に対しては、肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。

今までのニューモバックス、プレベナーに加え、新しく バクニュバンス の接種が始まります。

上記の肺炎球菌ワクチンの種類や時期の選択は医療者が提案しますので、関節リウマチ治療中の患者様は是非肺炎球菌ワクチンによる感染症対策を推奨します。