温清飲の特徴
血液循環をよくし、出血をおさえる作用、のぼせや手足のほてりをとる作用があります。さらに、ホルモンのバランスを整える作用もあります。生理不順や生理痛、神経症、更年期障害、のぼせ、不安感、イライラ感、皮膚の発赤やかゆみ、皮膚のかさつきなどに使用されます。
漢方薬の臨床雑誌では、皮膚科における漢方治療でよく効いたという報告が多くみられ注目されています。難治性のアトピー性皮膚炎や慢性色素性紫斑、尋常性乾癬、ベーチェット病の皮疹(毛嚢炎様皮疹や結節性紅斑)、掌蹠膿疱症など、様々な皮疹の報告があります。
体をあたためる作用(温熱)の四物湯(シモツトウ)と体を冷ます作用(清熱)の黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)が合わさり、温清飲と名づけられました。
中国・明時代の「万病回春(マンビョウカイシュン)」に記されています。
次のような人に有効です。
- 体力が中等度
- 皮膚がカサカサして色つやが悪い
- のぼせがある
温清飲の作用・効果
四物湯(シモツトウ)(当帰、川芎、芍薬、地黄)は、血を補い、血行を改善させる作用があります。黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)(黄芩、黄柏、黄連、山梔子)は、熱を冷まし、イライラや炎症を抑える作用があります。また、細菌では皮膚症状に対する効果の報告が多く見られています。
透析患者のかゆみに対する温清飲の効果
有坂らにより、腎と透析. 1993, 35(4), p.565.で報告され、透析患者でかゆみを伴う方に使用され、改善した報告があります。体力中等度からやや少ない方向きで、とくに皮膚の乾燥した方の、不安、不眠,のぼせなどを伴う方に良いとされています。
アトピー性皮膚炎に対する温清飲の効果
報告はいくつかあります。ただし、皮膚の状態による使い分けがうまくいった例で効果を示した報告がありますので、皮膚の局面に合わせて使い分けが必要です。具体的には、乾燥しており分泌物は少なく、赤みは残っておりひっかくと赤くなり、かさぶたは乾燥し、ぽろりととれる状態が向いています。保険収載としてはアトピー性皮膚炎では認められていないため注意が必要です。
温清飲の成分・効能
温清飲は、8種類の生薬からなります。
・当帰(トウキ):セリ科のトウキの根を湯通ししてから乾燥させたもの。薬効は、「血(ケツ)」の不足を補い、巡りを良くします。
・川芎(センキュウ):セリ科センキュウの根茎を乾燥させたもの。薬効は、血液循環をよくし、痛みを止める作用があります。
・芍薬(シャクヤク):ボタン科シャクヤクの根を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、血液循環をよくし、痛みを止める作用があります。
・地黄(ジオウ):ゴマノハグサ科アカヤジオウの根を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、血液循環をよくする作用があります。
・黄芩(オウゴン):シソ科のコガネバナの根の周りを除いて乾燥させたもの。薬効は、「熱」を冷ましながら、「水(スイ)」の滞りを除く作用があります。みぞおちのつかえや、胃の不快感、膨満感、下痢の症状を改善します。
・黄柏(オウバク):ミカン科キハダの樹皮を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、炎症を抑える作用があります。
・黄連(オウレン):キンポウゲ科オウレンの根茎を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、イライラや炎症を抑える作用があります。
・山梔子(サンシシ):アカネ科クチナシの果実。薬効は、熱を除き、イライラを抑える作用があります。
温清飲の副作用
配合生薬の地黄により、胃腸が虚弱な人が用いると、食欲不振、下痢などの胃腸障害が起こることがあります。また、間質性肺炎と肝障害の報告があるため、例えば皮膚科に通院し処方されているような場合では健康診断なども利用し、定期的に確認することでそれらの障害を早く見つけられる場合があります。
温清飲の服用方法
ツムラ温清飲エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。