芎帰膠艾湯の特徴
主に、下半身の出血(子宮、腎膀胱、痔、腸出血、血尿など)に用いられる漢方薬です。
四物湯に止血作用のある艾葉(ガイヨウ)と阿膠(アキョウ)と甘草(カンゾウ)が加わったものです。
中国・漢時代の「金匱要略(キンキヨウリャク)」に記されています。
次のような人に有効です。
- 冷え性で貧血ぎみ
- 下半身に出血が続いている
- 体力がない
- 手足がだるくほてる
- 下腹が痛む
芎帰膠艾湯の作用
当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)、芍薬(シャクヤク)、地黄(ジオウ)は、血を補い、血行を改善する作用があります。
艾葉(ガイヨウ)は体を温めて、冷えをとる作用があります。阿膠(アキョウ)は血を補う作用と止血作用があります。甘草(カンゾウ)は胃腸を助けて、他の生薬を調和する作用があります。
芎帰膠艾湯の成分
芎帰膠艾湯は、下記の7種類の生薬からなります。
・地黄(ジオウ):ゴマノハグサ科アカヤジオウの根を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、血液循環をよくする作用があります。
・芍薬(シャクヤク):ボタン科シャクヤクの根を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、血液循環をよくし、痛みを止める作用があります。
・当帰(トウキ): セリ科トウキの根を乾燥させたもの。薬効は、血を補い、血液循環をよくし、痛みを止める作用があります。
・甘草(カンゾウ):マメ科の甘草の根や根茎を乾燥させたもの。薬効は、疼痛緩和の他、緊張を緩める働きがあります。
・川芎(センキュウ): セリ科センキュウの根茎を乾燥させたもの。薬効は、血液循環をよくし、痛みを止める作用があります。
・艾葉(ガイヨウ): キク科ヨモギの葉効は、温めて、止血する作用があります。
・阿膠(アキョウ):ウマ科ロバの皮、骨などから取れる膠(ゼラチン)。薬効は、血を補い、止血する作用があります。
芎帰膠艾湯の副作用
配合生薬の地黄により、胃腸が虚弱な人が用いると、食欲不振、下痢などの胃腸障害が起こることがあります。
また、配合生薬の甘草(主な成分はグリチルリチン酸)の大量服用により、むくみが出たり、血圧が上る「偽性アルドステロン症」と呼ばれる症状がでる可能性があります。甘草が含まれている他の漢方薬や、グリチルリチン酸を長期で服用する際は注意が必要です。
芎帰膠艾湯の服用方法
ツムラ芎帰膠艾湯エキス顆粒によると、通常、成人1日9.0gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。