清心蓮子飲の特徴
胃腸が虚弱で、慢性化した泌尿器疾患のある人に用いられる漢方薬です。尿が混濁したり、残尿感、排尿力が弱い、米のとぎ汁のような帯下、性機能障害性に使用されます。
清心蓮子飲は、四君子湯(シクンシトウ)を基礎にした処方で、八味丸(ハチミガン)を使うと胃腸障害が出る人に用います。
中国・宋時代の「和剤局方(ワザイキョクホウ)」に記されています。
次のような人に有効です。
- 全身倦怠感
- 口や舌が渇く
- 残尿感、排尿力の減退
- 帯下
- 男性性機能低下
清心蓮子飲の作用
蓮肉(レンニク)黄芩(オウゴン)、地骨皮(シコッピ)は熱をさます作用があります。
麦門冬(バクモンドウ)は体液の産生を促進する作用があります。
茯苓(ブクリョウ)、車前子(シャゼンシ)は利水作用があります。
人参(ニンジン)、黄耆(オウギ)、甘草(カンゾウ)は体力を増進する作用があります。
清心蓮子飲の成分
清心蓮子飲は、下記の9種類の生薬からなります。
・麦門冬(バクモンドウ):ユリ科ジャノヒゲの根を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、肺を潤して咳を止める作用があります。
・茯苓(ブクリョウ):サルノコシカケ科マツホドの菌核。薬効は、利尿作用、健胃作用があります。また、浮腫、めまい、胃内停水、精神安定のために用いられます。:セリ科
・黄芩(オウゴン):シソ科コガネバナの根を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、イライラや炎症を抑える作用があります。
・人参(ニンジン):ウコギ科オタネニンジンの根を乾燥させたもの。薬効は、免疫機能を賦活し、体力を増進する作用があります。
・黄耆(オウギ):マメ科キバナオウギの根を乾燥させたもの。薬効は、気を補い、汗をとめ、腫れを抑える作用があります。
・甘草(カンゾウ):マメ科カンゾウの根を乾燥させたもの。薬効は、消化を整え、痛みを止める作用、のどの痛みを止める作用があります。
・蓮肉(レンニク):マスイレン科の種子。薬効は、消化を整え、下痢を止めたり、精神を安定させる作用があります。
・地骨皮(ジコッピ):ナス科クコの根を乾燥させたもの。薬効は、肺や皮膚の熱を冷ます作用があります。
・車前子(シャゼンシ):オオバコ科オオバコの種子。薬効は、熱を除き、水分の循環をよくして、下痢を止める作用があります。
清心蓮子飲の副作用
配合生薬の甘草(主な成分はグリチルリチン酸)の大量服用により、むくみが出たり、血圧が上る「偽性アルドステロン症」と呼ばれる症状がでる可能性があります。甘草が含まれている他の漢方薬や、グリチルリチン酸を長期で服用する際は注意が必要です。
間質性肺炎と肝機能障害の副作用の報告があります。
清心蓮子飲の服用方法
ツムラ清心蓮子飲エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。