立効散の特徴
歯痛(歯の痛み)に用いられる漢方薬です。抜歯後の疼痛にも効果を実感する人がいます。また、頭痛に用いられることがあります。歯の痛みが強く、普通の鎮痛剤では効果が不十分だった時に、立効散の服用で即効性があった(すぐ効いた)という例が報告されています。
特に体質にこだわらずに用いることができます。
江戸時代の曲直瀬道三の衆方規矩(シュウホウキク)に記されています。
立効散の作用
細辛(サイシン)、升麻(ショウマ)、防風(ボウフウ)は痛みを止める作用があります。
甘草(カンゾウ)は炎症を抑え、痛みを止める作用があります。
竜胆(リュウタン)は熱を除去して炎症を抑える作用があります。
立効散の成分
立効散は、下記の5種類の生薬からなります。
・細辛(サイシン):ウマノスズクサ科ウスバサイシンの根茎を乾燥させたもの。薬効は、体を温め、痛みを取る作用があります。
・升麻(ショウマ):キンポウゲ科ショウマの根茎を乾燥させたもの。薬効は、炎症を抑える作用があります。
・防風(ボウフウ):セリ科ボウフウの根を乾燥させたもの。薬効は、かゆみや痛みを抑える作用があります。
・甘草(カンゾウ):マメ科カンゾウの根を乾燥させたもの。薬効は、消化を整え、痛みを止める作用、のどの痛みを止める作用があります。
・竜胆(リュウタン):リンドウ科トウリンドウなどの根茎を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、イライラを抑える作用があります。
立効散の副作用
配合生薬の甘草(主な成分はグリチルリチン酸)の大量服用により、むくみが出たり、血圧が上る「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状がでる可能性があります。甘草が含まれている他の漢方薬や、グリチルリチン酸を長期で服用する際は注意が必要です。
立効散の服用方法
ツムラ立効散エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。口に含んでゆっくりのみ下すのが効果的な服用方法です。