川芎茶調散の特徴
体力の程度に関わらず、広く頭痛に用いられる漢方薬です。古くから、女性の頭痛に用いられてきました。風邪、血の道症にも応用されます。
中国・宋時代の「和剤局方(ワザイキョクホウ)」に記されています。
次のような人に有効です。
- 突発性の頭痛
- 悪寒、発熱
- インフルエンザ
- 鼻づまり
川芎茶調散の作用
川芎(センキュウ)、白芷(ビャクシ)、羌活(キョウカツ)、荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)は風邪を発散させ、頭痛を止める作用があります。
香附子(コウブシ)、薄荷(ハッカ)は気分を伸びやかにする作用があります。
甘草(カンゾウ)、茶葉(チャヨウ)は熱をさまし、炎症を抑える作用があります。また、茶葉にはカフェインが含まれ、覚醒作用、利尿作用があります。
川芎茶調散の成分
川芎茶調散は、下記の9種類の生薬からなります。
・香附子(コウブシ): カヤツリグサ科ハマスゲの根茎を乾燥させたもの。薬効は、うつ気分を改善し、痛みを止める作用があります。
・川芎(センキュウ): セリ科センキュウの根茎を乾燥させたもの。薬効は、血液循環をよくし、痛みを止める作用があります。
・羌活(キョウカツ):セリ科のNotopterygium incisum Ting ex H.T.Chang又は Notopterygium forbesii Boissieuの根茎及び根を乾燥させたもの。薬効は、関節をあたため、痛みを止める作用があります。
・荊芥(ケイガイ):シソ科ケイガイの花穂。薬効は、皮膚の炎症を抑え、かゆみを止める作用があります。
・薄荷(ハッカ):シソ科ハッカの葉を乾燥させたもの。薬効は、熱をさまし、ストレスを緩和する作用があります。
・白芷(ビャクシ):セリ科ヨロイグサの根を乾燥させたもの。薬効は、温めて痛みを止め、膿を排出する作用があります。
・防風(ボウフウ):セリ科ボウフウの根を乾燥させたもの。薬効は、皮膚の湿疹を抑え、かゆみや炎症を抑える作用があります。
・甘草(カンゾウ):マメ科カンゾウの根を乾燥させたもの。薬効は、消化を整え、痛みを止める作用があります。
・茶葉(チャヨウ): ツバキ科チャの葉を乾燥させたもの。薬効は、頭痛や眼の痛みを緩和し、痰を除き、利尿作用があります。
川芎茶調散の副作用
配合生薬の甘草(主な成分はグリチルリチン酸)の大量服用により、むくみが出たり、血圧が上る「偽性アルドステロン症」と呼ばれる症状がでる可能性があります。甘草が含まれている他の漢方薬や、グリチルリチン酸を長期で服用する際は注意が必要です。
川芎茶調散の服用方法
ツムラ川芎茶調散エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。