茯苓飲合半夏厚朴湯の特徴
吐き気、胸焼け、心窩部のつかえ、動悸、めまいがあり、気分がふさいで喉に何かがつっかえたような感じの人に用いられる漢方薬です。不安神経症、神経性胃炎、つわり、神経性食道狭窄、更年期障害に使用されます。
茯苓飲(ブクリョウイン)と半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)を合わせた方剤です。
江戸時代の「本朝経験方(ホンチョウケイケンホウ)」に記されています。
次のような人に有効です。
- 気分が塞いでいる
- 咽頭部に異物感がある
- 動悸、めまい、吐き気がある
- 尿量が少ない
茯苓飲合半夏厚朴湯の作用
人参(ニンジン)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)は胃腸の働きを助けて、余分な水を排泄する作用があります。
生姜(ショウキョウ)は胃腸を温め、吐き気を止める作用があります。
半夏(ハンゲ)は吐き気を止める作用があります。
陳皮(チンピ)、枳実(キジツ)、厚朴(コウボク)、蘇葉(ソヨウ)は気を巡らせる作用があります。
茯苓飲合半夏厚朴湯の成分
茯苓飲合半夏厚朴湯は、下記の9種類の生薬からなります。
・半夏(ハンゲ):サトイモ科カラスビシャクの塊茎。薬効は、痰や咳を鎮め、吐き気を抑える作用があります。
・茯苓(ブクリョウ):サルノコシカケ科マツホドの菌核を乾燥させたもの。薬効は、水分の循環をよくし、消化を整える作用があります。
・蒼朮(ソウジュツ):キク科ホソバオケラの根茎を乾燥させたもの。薬効は、水分の循環をよくし、消化を整える作用があります。
・厚朴(コウボク) :モクレン科ホオノキの樹皮。薬効は、胃もたれ、吐き気、咳、イライラを抑える作用があります。
・陳皮(チンピ):ミカン科ウンシュウミカンの果皮。薬効は、消化を整え、痰や咳を抑える作用があります。
・人参(ニンジン) :ウコギ科オタネニンジンの根を乾燥させたもの。薬効は、免疫機能を賦活し、体力を増進し、消化を補い、体液の産生を促進する作用があります。
・蘇葉(ソヨウ):シソ科シソの葉。薬効は、皮膚を温め、胃腸の機能を改善する作用があります。サ
・枳実(キジツ):ミカン科ダイダイの未熟果実。薬効は、痰を鎮め、イライラを抑える作用があります。
・生姜(ショウキョウ):ショウガ科ショウガの根茎を乾燥させたもの。薬効は、体を温め、消化機能を整える作用があります。
茯苓飲合半夏厚朴湯の副作用
特に重い副作用はありませんが、配合生薬の人参により、のぼせ、湿疹、蕁麻疹、皮膚炎の悪化などの症状があらわれる可能性があります。
茯苓飲合半夏厚朴湯の服用方法
ツムラ茯苓飲合半夏厚朴湯エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。