高血圧の漢方薬(効果・効能・使い分け)

  1. 症状の特徴

高血圧とは、一般的に収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、拡張期血圧(最小血圧)が90mmHgの状態をいいます。

血圧が高い状態が続くと、動脈硬化をおこしやすくなり、心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクが高まります。

高血圧の原因として考えられるのは、遺伝などの体質、加齢、アルコールの取りすぎ、塩分の取りすぎ、肥満、ストレス、寒さなどがあります。

  1. 西洋医学の治療

生活習慣の改善を目的に、食事療法、運動療法を行います。改善が見られない場合は、降圧剤による血圧を下げる治療を行います。

  1. 漢方医学の治療

高血圧に用いられる漢方薬は、血圧をすばやく下げる即効性のある薬はありませんが、西洋薬に比べて副作用が大変少ないことが特徴です。重症の高血圧には漢方薬単独で治療するのは危険ですが、漢方薬と降圧剤との併用することによって、高血圧の症状を軽減し、有効な効果が得られる場合があります。

  1. 高血圧に対して用いられる主な漢方処方

以下にタイプ別に用いられる漢方処方を挙げます。

  • 体力がある人
  • 赤ら顔、肩こり、のぼせ、めまい、イライラ→黄連解毒湯
  • めまい、のぼせ、胸脇苦満、倦怠感、イライラ→柴胡加竜骨牡蛎湯
  • 赤ら顔、頭重感、肩こり、耳鳴り、のぼせ、不眠、便秘→大柴胡湯
  • 体格がよい、頭痛、のぼせ、便秘、月経不順、更年期障害→桃核承気湯
  • 体力が中程度の人
  • 頭痛、肩こり、耳鳴り、のぼせ→七物降下湯
  • 肩こり、のぼせ、めまい、耳鳴り、不眠、不眠症、中年以降→釣藤散
  • 頭痛、めまい、動悸、不眠、食欲不振、吐き気→半夏厚朴湯
  • 体力がない人
  • 代謝機能低下、動悸、めまい、尿量減少、冷え性→真武湯
  • 中年以降、のどの渇き、手足は冷えるがほてりがある、疲労感→八味地黄丸
  1. ライフスタイルで注意すること

食事は腹7、8分目を守り、肥満にならないようにすることが大切です。また、ストレスを避けることも大切です。趣味やスポーツなどでストレス発散することはとても重要です。

参考文献

・NHKきょうの健康 漢方薬事典(主婦と生活社)
・漢方相談ガイド(南山堂)
・漢方薬・生薬の教科書(新生出版社)
 

  • URLをコピーしました!
目次