山椒(サンショウ)の効能・使用される漢方薬 西洋医学との関わり

山椒は、ミカン科のサンショウの成熟果皮を乾燥させた、温裏薬に分類される生薬です。

韓国、中国、日本を産地とし、辛味成分を成分としています。中国では花椒が用いられている漢方薬において、日本では山椒が用いられています。

山椒は、料理の味付け、風味づけ、食欲増進の為だけではなく、防腐/殺菌作用を持つ事から食品の保存や駆虫薬としても用いられます。

【中医学的に見る山椒の効能】

脾、胃、腎を帰経とし、味は辛、性を熱とする生薬です。

冷えによる腹部の不調(胃腸機能低下や腹痛)に用います。漢方薬に配合される一つの生薬という事以外にも、山椒自体を熱くなるまで炒めて、布袋に入れ、患部にあてて温めるという方法もあります。

【主な漢方薬】

  • 大建中湯(ダイケンチュウトウ)

:お腹が冷えて痛み、腹部膨満感がある時に用いられます。また、自覚的に腸が動くのを感じ、だるくて非常に疲れやすく、便秘を生じる場合にも用いられます。山椒はこの漢方薬において、温めて腸運動を調節する作用を発揮しています。

便秘などに用いられる大建中湯の効果・効能・副作用

  • 当帰湯(トウキトウ)

血色のすぐれない冷え性の人の腹部膨満感に用いられます。山椒はこの漢方薬において、内臓を温める作用を発揮しています。

当帰湯(トウキトウ)の効果・効能・副作用

【西洋医学的に見る山椒】

山椒に含まれるメタノールエキスには駆虫作用や抗真菌作用が、エーテルエキスには局所知覚麻酔作用が、またサンショールやサンショアミドの不飽和脂肪酸アミドには局所麻酔作用及び殺虫、魚毒作用や芳香性辛味健胃のほか、整腸、利尿、駆風作用も認められるとされています。

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