呉茱萸(ゴシュユ)の効能・使用される漢方薬 西洋医学との関わり

呉茱萸(ゴシュユ)とは、ミカン科の植物であるゴシュユの果実を乾燥させた温裏薬に分類される生薬です。中国、日本を産地としインドール型アルカロイドを主成分としています。

 

【中医学的に見る呉茱萸】

肝、脾、胃経を帰経とし、味を辛、性を熱とする毒を少し持つ生薬です。腹部が冷えて痛みを感じるとき、頭痛時、下痢の時、嘔吐時や口の中が酸っぱく感じるときに使用されます。また、脚気にも使用されます。

その他にも、呉茱萸の粉末を酢で混ぜて足裏に塗布すると上半身に溜まった熱を下半身に下すため、口内炎や舌炎の治療にも用いられます。

なお、呉茱萸は熱性の為、気を損傷しやすいので長期間の使用は控えてください。

 

【主な漢方薬】

:吐き気と頭痛が主訴の時に使用されます。呉茱萸はこの漢方薬において、利水作用を示し吐き気や痛みを止める効果を発揮しています。

 

:全体的に乾燥している(特に唇)おり、上半身は火照るが下半身は冷える者の月経不順に使用されます。呉茱萸は本漢方薬において、腹部を温め痛みや吐き気を抑える効果を発揮します。

 

:手足が自覚的にも、また第三者が触ってみても冷えている場合に使用されます。呉茱萸は本漢方薬において、経絡を温め、気を巡らせ、痛みを取る効果を発揮します。

【西洋医学的に見る呉茱萸】

呉茱萸のエタノールエキスには一過性の血圧上昇、呼吸運動の増加、頸動脈の血流増加、体温上昇、鎮痛作用を示す事が報告されています。

 

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