黄柏（オウバク）の効能・使用される漢方薬　西洋医学との関わり

黄柏（オウバク）とは、ミカン科の植物であるキハダの樹皮を乾燥させた清熱燥湿薬に分類される生薬です。中国、北朝鮮、日本を産地とし、ベルベリン型アルカロイドを主成分としています。

【中医学的に見る黄柏の効能】

腎、膀胱、大腸経を帰経とし、味を苦、性を寒とする生薬です。清熱燥湿作用を有するため、湿熱による黄疸、下痢、おりものに使用されます。また、解毒作用により湿疹の治療にも使用されます。その他にも、抵抗力が落ちているために汗っかきになってしまったり、寝汗がひどい場合にも使用されます。

なお、黄柏は苦味が強く、また体を冷やすため、お腹の調子が悪い時には使用するのを控えてください。

【黄柏（オウバク）が使用される主な漢方薬】

• 黄連解毒湯（オウレンゲドクトウ）

：生薬「黄芩」のページを参照して下さい。黄柏はこの漢方薬において、清熱瀉火作用により鎮静作用を発揮しています

• 温清飲（ウンセイイン）

：四物湯と黄連解毒湯が合体した漢方薬です。月経不順、更年期障害などの血の道症やアトピー性皮膚炎に使用されています。黄柏はこの漢方薬において、清熱瀉火する事により解毒、抗炎症作用を発揮しています。

• 七物降下湯（シチモツコウカトウ）

：生薬「釣藤鈎」のページを参照して下さい。黄柏はこの漢方薬において、清熱瀉火作用を発揮しています。

• 柴胡清肝湯（サイコセイカントウ）

：かんの強い傾向にある小児の神経症やアトピー性皮膚炎に使用されます。黄柏はこの漢方薬において、清熱瀉火する事により鎮静症作用を発揮しています。

【西洋医学的に見る黄柏】

塩化ベルベリンと局法製造原料として使用されています。抗菌作用を示し、また胃酸の過分泌を抑制しストレス等による胃出血や胃潰瘍の進行を抑える事が報告されています。