茴香(ウイキョウ)の効能・使用される漢方薬 西洋医学との関わり

茴香(ウイキョウ)とは

セリ科のウイキョウの果実を乾燥させた、温裏薬に分類される生薬です。中国、インド、欧米各国、日本を産地とし、精油、フェニルプロパノイド、テルペン類を成分としています。茴香はスパイスのフェンネルの事で、よくインド料理屋さんで食後に口の臭いを消すために置かれているハーブです。

中医学的に見る茴香

茴香は肝、腎、脾、胃経を帰経とし、味を辛、性を温とする生薬です。茴香は、肝気鬱滞を解消し、腎を温めることによって痛みを和らげる為、腸の疝痛や睾丸、副睾丸の腫脹性疼痛に使用されます。

また、お腹が冷える事によって生じる吐き気、食欲不振、腹部膨満感には芳香性健胃薬としての働きを示します。茴香は、熱して袋詰めにして下腹部にあてがうと腹痛止めにもなる為、外用薬としても用いられます。

なお茴香は津液を損なう為、熱証、陰虚証及び妊娠中の婦人には使用を控えてください。

【主な漢方薬】

安中散(アンチュウウサン)
胃痛があり、酸が上がってくるような感じがしたり、胸やけや胃部不快感がある時に用いられる漢方薬です。茴香はこの漢方薬において、寒を散らして温め、気を巡らす事により痛みを止める効果を発揮しています。

【西洋医学的に見る茴香】

茴香エキスには胆石を排出する作用、消化性潰瘍を予防する作用が見受けられており、なかでもフェニルプロパノイドの一つであるアネトールには消化機能の亢進作用が報告されています。

  • URLをコピーしました!