白朮（ビャクジュツ）の効能・使用される漢方薬　西洋医学との関わり

白朮（ビャクジュツ）とは、キク科の植物であるオケラの根茎を乾燥させた補気薬に分類される生薬です。韓国、日本、中国を産地とし、精油を主成分としています。

【中医学的に見る白朮】

脾、胃経を帰経とし、味を苦、甘、性を温とする生薬です。白朮は補気健脾の代表格である為、脾気虚弱、消化器不調による食欲不振、泥状便、腹部膨満感や倦怠感の際にしようされます。また、脾虚による運化不調からくる浮腫みや汗っかきにも使用されます。

【主な漢方薬】

• 四君子湯（シクンシトウ）

：胃内の停水が消化機能を妨げ、食欲不振になり体力低下が招かれているという悪循環時に使用されています。白朮はこの漢方薬において、補気する働きを発揮します。

• 六君子湯（リックンシトウ）

：四君子湯と二陳湯の合方です。胃弱、疲労しやすく貧血気味、手足が冷えて重い時に使用されます。白朮はこの漢方薬において、補気する働きを発揮します。

• 補中益気湯（ホチュウエッキトウ）

：生薬「陳皮」のページを参照して下さい。白朮はこの漢方薬において、補気することによって、利水する働きを発揮します。

• 苓桂朮甘湯（リョウケイジュツカントウ）

：胃気が弱まっている事が原因で胃内に停水があり、それが気の上逆と重なって身体上部

にふらつきや揺れ症状（立ちくらみ、息切れ、頭重）がある時に使用されます。白朮はこの漢方薬において、補気することによって、利水する働きを発揮します。

【西洋医学的に見る白朮】

白朮の煎液の静注により、尿量を増加させたという報告があります。また、経口投与により血糖量を一過性に増加させ、後に降下したことが報告されています。