排尿障害や排尿時痛となる慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(男性)に対する鍼灸治療の詳細を解説します。

慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(Chronic Prostatitis/Chronic Pelvic Pain Syndrome: CP/CPPS)は、男性の前立腺炎症状の90〜95%を占める最も一般的なタイプの前立腺炎です​

典型的には3か月以上持続する骨盤周囲の慢性の痛み・不快感(会陰部、下腹部、陰嚢、直腸、陰茎など)を主症状とし、排尿障害(頻尿、排尿痛、残尿感など)や射精時の痛みを伴うことがあります​

感染所見(尿培養陽性など)はなく、「非細菌性前立腺炎」とも呼ばれます。また、一部の患者ではめまい、倦怠感、記憶力低下といった全身症状や、抑うつ・不安など精神的症状を呈することも報告されています​

若年〜中年男性に多くみられ、50歳未満男性の代表的な泌尿器科疾患の一つです​。

発症メカニズム: CP/CPPSの病態生理は明確に解明されておらず、多因子的と考えられます。従来、前立腺液中の白血球増加など炎症の有無で炎症性(IIIA型)と非炎症性(IIIB型)に分類されますが、炎症所見の有無と疼痛の程度は必ずしも相関しません。

現在有力な仮説として、神経因性炎症および中枢性感作があります。骨盤痛患者では神経栄養因子(NGFなど)の増加による神経の過敏化が示唆され、これが慢性的な痛みの一因と考えられます​。同時に、前立腺・骨盤内ではサイトカイン(炎症性/抗炎症性)のアンバランスが認められ、炎症性サイトカインの亢進と抗炎症サイトカインの低下が骨盤痛に関連するとの報告があります​。免疫学的異常や自己免疫反応の関与も示唆されており、いくつかの症例ではホルモン(内分泌)環境やストレスがこうした免疫・神経の異常を助長している可能性があります​。

さらに筋肉性の問題として、骨盤底筋の緊張や筋筋膜性疼痛も重要です。実際、CP/CPPS患者の約半数で会陰部や骨盤底筋の圧痛がみられ、筋スパズムが疼痛の主原因となっているケースも報告されています​

このように心理的要因(ストレスや不安)と免疫・神経・筋機能の障害が相互に影響しあって症状が発現すると考えられています。

診断基準: 慢性骨盤痛症候群の診断は、症状と除外診断に基づきます。NIH(米国国立衛生研究所)の前立腺炎分類では、カテゴリーI: 急性細菌性前立腺炎、II: 慢性細菌性前立腺炎、III: 慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(細菌検出なし;IIIAは炎症所見あり、IIIBは炎症所見なし)、IV: 無症候性炎症性前立腺炎と定義されています​。

従って、III型(CP/CPPS)は「少なくとも3か月間持続する骨盤部痛不快感を主症状とし、尿検査や前立腺液検査で明らかな細菌感染を認めないもの」に該当します。症状評価には**NIH慢性前立腺炎症状指数(NIH-CPSI)**が用いられます。NIH-CPSIは痛み、排尿症状、生活の質(QOL)の3つのドメインからなり、それぞれ痛み0–21点、排尿0–10点、QOL 0–12点、合計0–43点で重症度を評価します​。

診断時には他疾患除外のため尿検査(尿培養)や前立腺マッサージ後尿の白血球検査などを行い、細菌性前立腺炎や尿路感染症、精嚢炎などを鑑別します。また、泌尿器科的評価に加え、骨盤底筋の触診で圧痛の有無を調べることも有用です。

目次

鍼灸の効果紹介

エビデンス概要: 慢性骨盤痛症候群に対する鍼灸治療の有効性については近年多くの臨床研究が行われ、2010年代後半から2020年代前半にかけてメタアナリシスやシステマティックレビューが相次いで発表されています。それらの総括として、鍼治療はプラセボ(シャム鍼)や西洋医学的標準治療と比較して、症状改善に有意な効果を示すことが明らかになっています。

例えば最新のメタ解析では、高品質RCTのみを対象に解析した結果、鍼治療群はシャム鍼群および西洋医学薬物治療群に比べてNIH-CPSI総スコアの有意な低下(症状の軽減)を示しました​。特に疼痛スコアの改善が顕著で、標準治療と比較した標準化平均差(SMD)は-1前後と大きな効果量が報告されています​

また鍼治療群ではQOLスコアや排尿症状スコアの改善もみられ、患者の全体的な反応率(症状が改善した割合)も対照群より高い結果でした​。実際、ある系統的レビューでは「現在得られているエビデンスは、特に疼痛緩和において鍼灸がCP/CPPS症状に有効であることを支持する」と結論付けています​

具体的な効果の程度: 臨床的にどの程度の改善が得られるかについて、長期効果に着目した解析では、約6割後半(68%)の患者が治療後に有意な症状改善を示すとの報告があります​

症状指数で見ると、NIH-CPSI総点は治療前から平均約15点の改善(スコア減少)を示し​、内訳は痛みスコアが約6点改善排尿スコアが約2〜3点改善QOL(生活の質)スコアが約4点改善するとのデータがあります​

NIH-CPSIは合計43点満点であり、5〜6点以上の変化は臨床的にも意義があるとされることから、これらの改善幅は患者のQOL向上に寄与する意味のある効果と言えます。痛みに関してはVAS(視覚的アナログ尺度)やNRS(数値評価尺度)でも有意な低下を示す研究が多く、日常生活動作や睡眠の質の改善も報告されています。また有効率(症状改善のあった患者割合)も、鍼治療群では対照群に比べて有意に高いとのメタ解析結果があります​

さらに一部研究では、治療終了後6か月以上経過した長期フォローでも症状改善効果が持続する可能性が示唆されています​。

以上より、エビデンスに裏付けられた有効性と安全性を背景に、近年では欧州泌尿器科学会(EAU)の慢性骨盤痛ガイドライン(2022年版)においても鍼治療がCP/CPPSの治療オプションとして推奨されており、「鍼治療はシャム鍼に比べ症状およびQOLを有意に改善する」と明記されています

総じて、鍼灸治療はCP/CPPS患者の疼痛緩和、排尿機能改善、QOL向上に寄与し得る有望な治療法であると考えられています​

安全性: 副作用・有害事象に関して、鍼治療は高い安全性を有することも報告されています。メタ分析によると、鍼治療群で認められた副作用は軽度の皮下出血(局所の内出血)や一過性の疼痛程度であり、いずれも軽微で一過性でした。

作用メカニズム

CP/CPPSに対する鍼灸の治療効果は、様々な生理学的機序によってもたらされると考えられています。主な作用メカニズムとしては以下の3点が挙げられます。

1. 神経調節作用(自律神経バランスの調整と鎮痛作用): 鍼刺激は末梢神経から中枢神経系へ作用し、疼痛伝導路の抑制や内因性オピオイド(エンドルフィン、エンケファリン)の放出を促進して鎮痛効果を発揮します。特に骨盤部位への鍼は仙骨神経叢や陰部神経に影響を与え、過敏になった神経の興奮を抑えるとともに、中枢神経系での痛覚過敏(中枢性感作)を軽減するとされています。また自律神経系にも作用し、交感神経と副交感神経のバランス調整によって筋緊張の緩和や血流改善が起こりうると考えられます。実際、鍼灸の作用機序の大部分は神経系の調整(Neuromodulation)によるものと位置づけられており​、過緊張状態にある骨盤底筋や前立腺周囲の筋を緩めて痛みを和らげる効果が期待できます。さらに鍼刺激は脊髄レベルでのゲートコントロールや脳内の痛み抑制系も賦活し、慢性的な痛みの悪循環を断ち切る作用があります。

2. 抗炎症作用(免疫調節作用による炎症制御): CP/CPPSでは前述のように炎症性サイトカインの関与が示唆されていますが、鍼灸にはこれら免疫系サイトカインを調節する働きがあります​。動物モデルや臨床研究では、鍼治療後に炎症性サイトカイン(IL-1β、TNF-α、IL-6など)の産生が低下し、抗炎症サイトカイン(IL-10など)が増加するといった免疫学的変化が報告されています。また鍼刺激によりマクロファージやマスト細胞といった免疫細胞の活性が調整され、前立腺や骨盤内の慢性炎症反応を鎮静化させる可能性があります。あるレビューでは「前立腺炎はサイトカインが媒介する連鎖反応である可能性があり、鍼灸はそれらサイトカインを調節することでCP/CPPSを治療しうる」とまとめられています​

このように鍼灸の免疫調節・抗炎症作用は、慢性前立腺炎における無菌性の炎症や神経因性炎症を抑制するメカニズムとして重要と考えられます​

炎症の軽減は組織の浮腫や神経圧迫の軽減にもつながり、結果的に疼痛や排尿症状の改善に寄与します。

3. 血流改善効果と筋緊張の緩和: 鍼刺激は刺入部位および関連する局所組織の微小循環を改善します。健常者や筋痛症患者を対象とした研究で、鍼施術後に皮膚や筋肉の局所血流量が有意に増加することが示されており​、組織への酸素・栄養供給が高まることで治癒促進効果が得られます。前立腺周囲や骨盤底の血行が改善すれば、炎症性物質の除去も促進され、局所の代謝環境が整うため痛みの軽減に寄与します。また血流が良くなることで筋のこわばりが取れ、筋緊張の緩和が生じます。骨盤底筋の慢性的な緊張や攣縮は排尿時痛や会陰部痛の一因ですが、鍼灸治療によりそれら筋スパズムが解消すると考えられます。例えば、三陰交や会陰などのツボへの刺激は骨盤底の筋群の過度な収縮を抑制し、患部の柔軟性を取り戻す助けとなります。以上のように、鍼灸は血流促進と筋弛緩を通じて疼痛閾値を上昇させ、症状緩和に貢献します。さらに精神的リラクゼーション効果も期待でき、ストレス軽減による症状改善も間接的にもたらされます(ストレスはCP/CPPS症状を悪化させる一因であり、その軽減は治療上重要です​。

推奨される鍼灸治療方法

CP/CPPS患者に対する鍼灸治療を行う際の、具体的な実践方法について解説します。経穴の選択、刺鍼手技、治療頻度、さらに患者への生活指導まで、包括的なアプローチが重要です。

使用する経穴(ツボ)

慢性骨盤痛症候群の治療では、骨盤部局所の経穴下肢の関連経穴を組み合わせることが一般的です​。

用いられるツボの例を挙げます。

  • 下腹部の経穴: 関元(CV4)、中極(CV3)など下腹部正中の任脈上の経穴は、前立腺・膀胱に対応し骨盤内臓器への効果があります。これらは気血を補い膀胱機能を調整するとされ、頻尿や下腹部違和感の緩和に役立ちます。
  • 会陰部の経穴: 会陰(CV1)は前立腺・骨盤底に直接作用する重要な経穴です。刺鍼には高度な技術を要しますが、局所の血流を高め痛みを緩和します。
  • 腰仙部の経穴: 腎兪(BL23)、次髎(BL32)、中髎(BL33)、下髎(BL34)、会陽(BL35)など膀胱経の腰仙部の経穴は、仙骨神経叢に近接し骨盤内臓神経を調節します。特に次髎・中髎は仙骨孔の部位に相当し、前立腺や骨盤底筋への神経支配を考慮した重要な刺激部位です。
  • 下肢の経穴: 三陰交(SP6)、陰陵泉(SP9)など脾経の足部経穴、および太衝(LR3)や足三里(ST36)なども全身調整に用いられます。三陰交は下腹部・生殖器系の疾患によく使われ、骨盤内の血流改善やホルモン調節作用が期待できます。脾経・肝経の経穴は気血の巡りを助け、疼痛の軽減とリラックス効果をもたらします。

以上のように、局所(骨盤周辺)と遠隔(下腿など)のツボを組み合わせて施術することで、患部の血行改善と全身的な気血調整の両面からアプローチします。文献上もしばしば「膀胱経の腰仙部の経穴+任脈下腹部の経穴+足の三陰交」の組み合わせが推奨されており、患者の症状に応じて経穴を追加・調整します。なお、鍼だけでなく必要に応じてお灸(艾灸)を併用し、下腹部の温熱刺激で効果を高めることもあります。

刺鍼方法(深さ・留置時間・電気鍼の活用)

刺鍼の深さ: 前立腺や骨盤底に効果を及ぼすには、比較的深部への刺激が必要になる場合があります。下腹部の関元・中極では恥骨結合上縁を越えない範囲で約40〜60mm程度の深さまで刺入し、膀胱に注意しつつ前立腺付近の組織に刺激を届けます​。

仙骨部の次髎・中髎では仙骨孔に向けて25〜30mm程度刺入し、仙骨神経に刺激を与えます​。

会陰部(CV1)は皮下組織が厚くないため20〜30mm程度の刺入で十分ですが、方向を誤らないよう細心の注意が必要です。下肢の経穴(三陰交など)は20〜30mm前後の刺入で経穴の効果を引き出せます。使用する鍼は0.20〜0.30mm径程度のステンレス製毫鍼が一般的で、部位に応じて適切な長さの鍼を選択します​

留置時間: 鍼の留置(置鍼)時間は1回20〜30分程度が標準的です​。

痛みの強い患者では長めに留置して鎮痛効果を高めたり、場合によっては一旦刺鍼して早期に得気(ひびき)を得た後、10分程度で抜鍼しさらに別の経穴に刺鍼するテクニックを用いることもあります。しかし多くの臨床研究ではおおむね20〜30分の間、刺鍼したまま安静臥床させる方法がとられており、患者もリラックスしやすいため推奨されます​。

手技: 刺鍼後、得気(鍼特有の響き感覚)が得られるよう軽く捻転やリフティング手技を加えて気を巡らせます。強い刺激は不要ですが、患者が鍼先の存在を認識できる程度の刺激量を与えることが効果につながります。疼痛が著明な圧痛点(トリガーポイント)がある場合は、そこに浅めの鍼を刺入して速やかに抜く「浅刺・速刺(表皮鍼)」や、あえて筋層に達する深さまで刺して凝りを解す手技を組み合わせることもあります。

電気鍼の併用: 電気鍼(低周波鍼通電療法)は、鍼に微弱電流を流すことで持続的な刺激を与え、鎮痛効果を増強する方法です。CP/CPPSの治療でも、仙骨部の経穴(例:BL33中髎やBL35会陽など)に刺鍼した鍼同士に低周波電流を通電することで骨盤内の血流増加・筋弛緩効果を高めたとする報告があります。実際、電気鍼を併用した群で痛みや症状指数の改善がより大きかったとの研究結果もあり​、強い疼痛を訴える患者には電気鍼の活用を検討します。ただし電気刺激に敏感な患者もいるため、刺激強度は患者が心地よいと感じる程度(感じ始めからやや強め程度)に調整します。電極配置は左右の経穴間や局所経穴間で行い、周波数は2Hzまたは2Hzと100Hzの混合刺激(リリース・エンドルフィン目的)などが用いられます。

治療頻度と期間

治療頻度: 鍼灸治療は単回で劇的改善を得ることは稀なため、継続的な施術が必要です。文献では週1〜3回の頻度で施術する例が多く、症状や患者の都合に合わせて適宜設定します​。比較的症状が軽度なら週1回でも良いですが、痛みや排尿症状が強い場合は週2回程度の集中的な施術から開始し、症状軽減に合わせて週1回に減らす方法もあります。中国の研究では週3回(隔日)の頻度で8週間行った例もあります​。現実的には通院負担も考慮し、週1〜2回ペースが実践しやすいでしょう。

治療期間: 一般に4回以上の継続治療で効果発現するとされます​。軽症例でも少なくとも1か月(4〜5回)は継続し、改善傾向があれば2〜3か月(8〜12回)の治療を目安とします。臨床試験では6週間(6回〜12回)から10週間程度の介入が多く​

メタ解析の結果からも約8週間前後の治療で有意な症状改善が得られています​

したがって、1クール2か月程度を一つの目安とし、その時点で症状評価(NIH-CPSIなど)を行って治療継続や他治療併用を検討します。効果があればその後は頻度を減らしつつメンテナンス目的で月1回程度の施術を続けることもあります。長期的にみて症状寛解が維持できれば治療終了としますが、再発や増悪があれば再度集中的な治療を行う計画を患者と共有しておきます。

患者への生活指導・セルフケア

CP/CPPSの治療戦略では、鍼灸施術と並行して患者自身の生活改善やセルフケアも重要です。慢性疾患であるため、日常生活で症状を悪化させる因子を避け、緩和する工夫を取り入れるよう指導します。

  • 飲食の工夫: 尿路や前立腺を刺激する**アルコール、カフェイン、刺激物(香辛料や酸性の強い食品)**は症状悪化要因となり得ます。可能な範囲でこれらの摂取を控えましょう。特にコーヒーや濃いお茶、香辛料の強い料理、炭酸飲料、辛い食品は症状が敏感な時期は避けてもらいます。一方で水分は適度に摂取し(カフェイン・アルコールを除く)、膀胱刺激の少ない飲み物で十分な水分補給とりましょう。
  • 温罨法・入浴: 温めるケアは筋肉の緊張を和らげ痛みを軽減します。自宅で温浴(温かい浴槽に浸かる)や座浴を積極的に行うようにしましょう。特に会陰部を温める座浴は簡便かつ効果的で、一日数回でも症状緩和が期待できます。冷えは症状を悪化させることがあるため、下半身を冷やさないよう衣服や日常生活で注意してもらうとよいでしょう。
  • 姿勢・圧迫の回避: 長時間の座位や自転車乗車は会陰部への圧迫となり痛みを誘発しやすいので、適度に体勢を変えるよう助言します。デスクワークの際はクッションやドーナツ型座布団を使用して会陰部への圧迫を軽減すると良いでしょう。また、自転車に乗る趣味や仕事のある人には、前立腺圧迫を軽減する特殊サドルやパッド付きパンツの使用、あるいは症状が強い間は控えましょう。
  • 軽い運動とストレッチ: 激しい運動は控えつつ、無理のない範囲で軽度〜中等度の有酸素運動(散歩や軽いジョギング、ヨガなど)を継続するよう勧めます。運動は血流を促進しストレスを緩和するため、有益です。また骨盤底のストレッチや緩めるエクササイズ(例えば深呼吸しながら骨盤底をリラックスさせる「逆Kegel体操」など)も指導します。理学療法士と連携し、骨盤底筋のリハビリ(トリガーポイントリリースやマッサージ)を取り入れることもあります。
  • ストレス管理・メンタルケア: 心理的ストレスは症状悪化に寄与するため、患者がリラクゼーション法(腹式呼吸、マインドフルネス等)を学ぶことを勧めます。必要に応じてカウンセリングや精神科的サポートを紹介し、不安やストレスの軽減を図りましょう。睡眠不足も痛みの耐性を下げるため、十分な睡眠時間の確保もアドバイスします。

まとめ: 慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(男性)は原因の特定しづらい難治性疾患ですが、鍼灸治療は疼痛緩和や機能改善に有望な介入法です。その作用は神経系・免疫系・血流動態への包括的な働きかけによるもので、近年の臨床研究がその有効性を裏付けています。適切な経穴選択と手技で定期的に施術を行い、患者の生活改善を支援することで、症状の軽減とQOL向上が期待できます​。本記事の内容が、少しでも症状改善に役立てば幸いです。

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