天然の含水硫酸カルシウムの鉱石で、清熱瀉火薬に分類される生薬です。中国や日本を産地としています。現在、用いられているのは繊維状石膏です。
【中医学的に見る石膏の効能】
肺、胃を帰経とし、味を甘、辛、性を大寒とする生薬です。急性の熱病(高熱、大汗)や、肺熱による咳痰、胃熱による口内炎や歯周病に効果があります。また、火傷に石膏粉を外用すると熱をとって、皮膚を収斂させる働きがあります。
【石膏が使われる主な漢方薬】
- 五虎湯(ゴコトウ)
:小児ぜんそくで使われる漢方薬で、第一選択として利用されることが多い漢方薬です。石膏はこの漢方薬において、利水消腫による清熱作用を発揮しています。
- 白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)
:のどに渇きやほてりがある場合や、皮膚病でかゆみの激しいものに使用されます。石膏はこの漢方薬において、清熱による解毒作用を発揮しています。
- 消風散(ショウフウトウ)
:生薬「胡麻」のページを参照して下さい。石膏はこの漢方薬において、清熱解毒作用を発揮しています。
- 辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)
:蓄膿症、鼻づまり、慢性鼻炎に使用されます。石膏はこの漢方薬において、清熱解毒作用を発揮しています。
【西洋医学的に見る石膏】
煎液をラットに用いた実験において、口渇を抑える効果が報告されている。