附子(ブシ)の効能・使用される漢方薬 西洋医学との関わり

附子(ブシ)はキンポウゲ科のオクトリカブトの塊根を乾燥させた、温裏薬に分類される生薬です。中国、日本を産地とし、アコニチン系を主とするアルカロイドや強心成分を持つアチシン系のアルカロイドを成分としています。副作用として、血圧の上昇、むくみが現れる可能性があるので、漫然と長期にわたって使用する際は注意が必要です。

 

【中医学的に見る附子】

附子は心、脾、腎系を帰経とし、味を大辛、性を大熱とする生薬です。附子は全身の陽気を温める事ができる為、陽虚証には必ずと言っていいほど使用されます。また、冷えて湿が溜まってしまったひどい関節疼痛等といった、痺証にも用いられます。

毒性を減らすために、煎じ薬を作る際は附子だけ先に30~60分間煎じてください。また、妊婦への使用は避けてください。

 

【主な漢方薬】

:腎気を強める働き(下肢痛、排尿障害に効く)があり、また腎と相生関係にある肝も助ける為、かすみ目にも効果を示す漢方薬です。附子はこの漢方薬において、陽を補う事によって寒を散らす効果を発揮しています。

 

:体力が弱っている方の胃痛、消化不良、下痢や浮腫等に使用される漢方薬です。附子はこの漢方薬において、陽を補う事によって寒を散らし利水する効果を発揮しています。

 

【西洋医学的に見る附子】

アコニチン系のアルカロイドは、呼吸中枢麻痺、心伝導障害、循環系麻痺、知覚麻痺、運動神経麻痺などの毒性を示し、気管支にも影響を与えます。また、水で煎じた液には顕著な強心作用が示されるので、強心薬として用いられますが、同時に毒性も強いので、必ず医師の指導の下で使用してください。附子で冷えを取ろうとすると、その血管拡張作用により、むしろのぼせや頭重感の方が強く出てしまう可能性があります。

また、附子は強力な新陳代謝賦活剤ですので新陳代謝が盛んになっている局所炎症部位を持っている人に使用する際は注意が必要です。

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