マイコプラズマ肺炎の漢方薬|マイコプラズマ肺炎の原因と症状

マイコプラズマ肺炎とは

マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマという細菌に感染することで起こる呼吸器感染症の一種です。主な感染経路は飛沫感染と接触感染ですが、特に家族など長い時間を共に過ごす人との接触感染が重要と考えられています。

通常2~3週間の潜伏期間を経て風邪のような初発症状が起こりますが、潜伏期間中も他人への感染がおこります。最近は年間通じて感染者が見られ、年齢的には幼児から25歳くらいまでの青年期に多い感染症です。

マイコプラズマ肺炎の症状

マイコプラズマ肺炎の初発症状としては、発熱や全身倦怠感・頭痛・咳などが起こり、普通の風邪と区別がつかない時期と言われています。咳は発症後数日たってから始まることが多く、最初は乾いた咳が出て後期は湿った咳に変わっていくのが特徴です。

このような症状が1~2週間続いたあと回復期に入りますが、咳が長引き1ヶ月ほど続くこともあります。しかしマイコプラズマ肺炎は症状が比較的軽く重症例も少ない肺炎で、通常の肺炎とは胸部レントゲンによる所見なども異なる「異型肺炎」に分類されています。

マイコプラズマ肺炎の治療

マイコプラズマ肺炎の治療の基本は有効な抗菌剤の投与と、自然治癒による回復を図ることです。マイコプラズマにはセフェム系など一般的な風邪によく使われる抗菌剤は効果がなく、これらが効かないこともマイコプラズマ肺炎を診断する一つの目安になります。

そこでマクロライド系やニューキノロン系などの抗菌剤が用いられますが、主に第一選択となるマクロライド系に耐性をもったマイコプラズマが最近増えていることが問題となっています。また予防方法としては特別なものはなく、一般的な風邪と同じように手洗いうがいの励行が勧められます。

マイコプラズマ肺炎に効果的な漢方薬治療と対策

マイコプラズマ肺炎においては、つらい咳症状の緩和に漢方薬が使われることが多く、抗菌剤と漢方薬の併用で治療に良い効果があったとされる研究報告も多数あります。

病期によって咳のタイプが変わる特徴があるので、それぞれに合わせた漢方薬を使い分けていくと良いでしょう。また回復の基本が自然治癒にあることから、体力や免疫力を補う漢方薬も有効と考えられます。

麻杏甘石湯・・・肺の熱をとり、自然と汗が出るような余分な水を除き、咳を鎮める作用があります。体力があり、喉が渇いて痰の少ない咳が激しく出るような人に向いています。一般的な気管支炎や喘息にもよく使われ、小児にもよく効く漢方薬です。咳以外に発熱があり発汗がない状態であれば麻黄湯が効果的です。

麦門冬湯・・・肺や胃の粘膜の体液分泌を増やし、潤い不足により生じた熱を冷ます作用があります。喉が乾燥して声が枯れる、痰が少なく切れにくい(または痰がない)咳が出るといった症状に効果的です。体力中等度以下で乾燥が強すぎない人に向いています。より咳が激しい場合は滋陰降火湯が用いられます。

柴朴湯・・・消炎・抗菌などの作用や、体に滞った水分を除いたり咳を鎮める作用があります。呼吸器の炎症に伴う、痰の多い湿った咳などの症状がある場合に効果的です。体力中くらいで、喉やみぞおちのつかえた感じがある人に向いています。

清肺湯・・・肺の熱を冷まして潤いを与え、咳や痰を改善する漢方薬です。比較的体力がない人で、粘りの強い痰が大量に出るような咳の症状に効果的です。

補中益気湯・・・胃腸の働きを整えて消化吸収をよくし、全身の栄養状態や防御機能を改善する効果があります。マイコプラズマ肺炎への自然治癒力を養い、長引く咳などで体力が落ちた状態を改善する作用が期待できます。

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