女性のお悩みには、鍼灸治療をはじめとする東洋医学が強い味方になってくれる可能性があると感じています。
例えば、更年期障害ではホルモン補充療法に加え漢方(加味逍遙散や当帰芍薬散や桂枝茯苓丸:いわゆる婦人科三大処方と呼ばれる漢方や、それらの生薬を混合した命の母など)を使用されている方も多いです。東洋医学との相性がよく、鍼灸治療は副作用なく効果を発揮することも多く、ぜひ御相談いただきたい症状が多いです。
鍼灸と女性の悩みに対する、鍼灸治療を、鍼灸博士の竹田太郎先生と動画にしました。
前半では、女性を東洋医学的に考えるための基礎的な考え方と、月経痛とPMSについて伺いました。
(更年期や逆子は後半の動画になります)
鍼灸院来院は、女性の方が多いとされています。竹田先生のところは女性が6割、男性が4割とのことで、ほとんどの鍼灸院が女性の方が多く、それだけ女性の症状に対して鍼灸が有効な点が多いです。
東洋医学的における女性の症状
東洋医学では、陰陽学説という学説があります。
「陰」と「陽」という2軸で分類され、女性は陰に属し、男性は陽に属すとされています。
外から見て見えるところ(体表)が表、内蔵などを裏と考えます。
暑いものは上に上がり熱は陽、冷えているものは下に下り陰に属するとされています。
女性は陰に属するため、女性の鍼灸は陰に関わる治療をすることが中心になります。
黄帝内経という、古くある論では、女性は7の倍数で人生の色々なイベントが起こってくるとされます。
7歳:腎(体の中のエネルギーに相当するもの、人生とともに消耗するエネルギーのようなもの)がたくさんある状態とされています。
7歳×2(14歳):任脈という、陰を通す通り道が通るようになります。体の真ん中を通り、女性性である陰が通ることで、月事(月経)が始まったり、子供ができるような体に変化します。
7歳×3(21歳):親しらずが生えてきて、成長の極みに達する
7歳×3(21歳):親しらずが生えてきて、成長の極みに達する
7歳×4(28歳):筋や骨が形成され、艷やかな状態になる
7歳×5(35歳):脈が衰えを店始め、面(顔)に陰りがみえはじめる
7歳×6(42歳):白髪が出始めたりする
7歳×7(49歳):天の気が塞がり、任脈などの陰の通り道が塞がり、閉経する
というふうに考えます。
そのため、女性のライフサイクルにおける「陰」そして、「陰の通り道」は大切なものです。
更年期症状と鍼灸・漢方を含む東洋医学
「陰」の不足、とその通り道の滞りが目に見える症状として出てくるものが、更年期症状です。
こちらは後編で動画にしていますので、後日解説します。
月経痛と鍼灸
月経痛に対する鍼灸
こちらで鍼治療は言及されており、鍼灸が一番効いたとする人が16.0%,経皮的電気刺激療法13.0%とのことでした。鍼灸と月経痛は相性がよく、痛みが和らぐのでぜひご相談ください。
PMSと鍼灸
今回に関しては、東洋医学的な「陰」という観点が大事なのかなと思います。