リウマチ専門医監修の
関節リウマチに対する鍼灸施術
関節リウマチ患者さんの人生を良くしていきたい。その想いでリウマチクリニックを開院した高杉と申します。
リウマチ専門医・リウマチ指導医として関節リウマチ診療に専門的に取り組んでいます。
現在、関節リウマチの治療薬は目覚ましい進化を遂げており、昔に比べて症状を大きく改善させることができる時代になりました。
昨今の関節リウマチ診療は、リウマチ治療薬の進歩によって寛解状態(痛い関節がない、腫れている関節がない)にできることが増えています。
- 関節リウマチの痛みや腫れ
- 関節の変形抑制効果
このような症状は医療機関での関節リウマチ診療によって改善が期待でき、薬によって寛解を維持することで「関節変形のリスク」が下がってきています。医療の進歩によってリウマチを取り巻く環境は大きく改善してはおりますが、あえて当院はリウマチクリニックに併設するカタチで鍼灸院を立ち上げています。
そのため、
「薬がそれほど進歩してるなら、鍼灸ってどうなの?」
こういうご質問をよく頂きます。
これはとても良い質問で、「リウマチに対する鍼灸」を再定義する必要が出てきています。私は関節リウマチを寛解させられる薬が増えている現代だからこそ、鍼灸を取り入れる意味があると考えています。
このページをご覧の方には「薬を減らしたい」「薬になるべく頼りたくない」と言った理由で、鍼灸を調べたという方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、
リウマチ専門医として関節リウマチの治療において、薬を使わず鍼灸だけですることは反対です。
なぜなら、関節リウマチの変形は強い炎症が残っているのにきちんと治療できていないと、予想より急速に変形してしまうからです。
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薬+鍼灸で治療 | 薬で治療鍼灸だけで治療 |
確かに、リウマチの治療薬を減らしたいというニーズはあります。
通常、リウマチ治療薬の減薬のプロセスは
この流れによって検討しながら進めていきます
まずリウマチの炎症をよくする
いい状態を維持する
お薬を減らす
より良い状態を目指すにも、減薬を目指すにしても、いずれにせよ寛解状態を維持することがとても重要になります。そのため、とよた鍼灸サロンHAL(リウマチクリニック併設鍼灸院)では、現代の薬物治療を鍼灸でサポートすることによって相乗効果を狙うことを目的としています。
リウマチ鍼灸とは
現代の薬物治療を鍼灸で
サポートすること
関節リウマチの患者さんが、より良い状態になっていただけるような環境を考えた時に、薬物治療に鍼灸治療を付加することはひとつの選択肢になります。
私はリウマチ専門医として、
この方法が関節リウマチ患者さんのためのベストな鍼灸治療だと考えています。
リウマチクリニック併設
鍼灸院を開院した理由
鍼灸院を開院することになったきっかけは、患者様からいただく相談内容を解決する方法を考えていた時です。
関節リウマチ患者さんを寛解させる治療が当たり前にできる時代の今、リウマチ専門外来で実際に患者さんからいただく相談はこういったお悩みになります。
実際にご相談を頂くご質問の一例
- この痛みはリウマチですか?違う痛みであれば、この痛みはとれますか?
- 寒さや冷えの時期に関節が痛くなるのの対処方法は?
- リウマチの数値は良いがまだ痛いので相談したい
- 関節リウマチの薬は減らせますか?
- いつか注射薬は辞められますか?
- 夜寝付けないときがある
- 不安がある
- 気持ちが落ち込む
- 主治医からは持病でこれ以上薬は増やしにくいと言われて困っています。
- 他の病院でステロイドを処方されたができれば飲みたくない(でも痛い)
一見たくさんあるように思われますが、大きくは3つに分けられます。
- まだ痛みが残っている
- 薬をなるべく減らしたい
- リウマチと関わる周辺症状
(不眠や落ち込みや冷えなど)で困っている
こういったご相談の場合は、まず関節炎の残存の有無をクリニックで診察し、超音波検査で寛解しているか確認しています。そして、まだ薬によって良く出来る余地が大きければ治療の見直しを行います。
しかし、関節炎の残存がなく、なお続く痛みの場合には「抗リウマチ薬に加えて、新しいアプローチを組み合わせていく」ことで改善することが多いです。
私は色々な方法を勉強してきて、効果が出るなと感じるものがいくつかあり、国際的にも関節リウマチ患者さんにとって有害性が少ない方法として推奨されているものはいくつかあります。
例えば、アメリカリウマチ学会の2022年の推奨では、下の緑枠の方法が推奨・条件付き推奨をされています。
主にこれらが推奨されています
- 運動
有酸素運動・水中運動・レジスタンス運動・ピラティスやヨガなど - リハビリテーション
作業療法・理学療法・運動療法・固定・装具・圧迫・腹式呼吸・テーピング・関節保護・補助(補装)器具・環境適応・職業リハビリテーション - 地中海食
- 認知行動療法やセルフマネージメント(心の健康)
- 温熱療法
- 鍼灸
- マッサージ
私の臨床においても専門的なリウマチの治療と併せてこれらを行ってきました。
- 運動や地中海食の推奨
- リハビリ→リハビリ専門医を取得、SARAH(リウマチのリハビリプログラム)の紹介
- 認知行動療法やセルフマネージメント(心の健康)→公認心理師の取得
そして、とよた鍼灸サロンHALを開設することで鍼灸・マッサージに対応しております。
海外では、鍼灸を「すること」「しないこと」を比べると、「すること」に良い可能性があるとされています。
ですがその一方で、
「どのような鍼灸がベストか?」という答えについては、世界において「まだ定まっていない」というのが現状です。
そのため「とよた鍼灸サロンHAL」では、
関節リウマチの方にとって選択肢の一つとして
現代の薬物治療を鍼灸でサポートすること
この考えを中心に据えて、鍼灸治療を提供しております。
リウマチ鍼灸①
慢性疼痛・残存疼痛に
対する鎮痛のための鍼灸
リウマチ鍼灸では、難治性リウマチ(Difficult to treat RA)への追加手段としても有効です。
Difficult to treat RA(難治性関節リウマチ)の表では、Non-inflammatory refractory RAという灰色の部分において下記のように、関節リウマチは客観的には改善しているものの、痛みが残る場合や慢性的な痛みに困る場合があると示されています。
- 炎症徴候を欠く関節リウマチ
- ダメージ蓄積/二次性の変形性関節症
- 機能障害
- 慢性疼痛
- 線維筋痛症
- 中枢感作
ガイドラインでも線維筋痛症の合併や疼痛や倦怠感を改善するためには、薬物治療に加えて被薬物療法も考慮されるよう推奨されており、慢性的な痛み、いわゆる慢性疼痛はリウマチの痛みだけでなく、痛みの連鎖で痛みを強く感じやすくなることや心理的な背景が痛みを強くするということが知られています。
HALオリジナル鍼灸では「体と心の痛みの両方に対処すること」と「痛みの連鎖を止めること(痛みを良くすること)」を大切に考えており、従来の鎮痛薬とは異なるアプローチで「体の痛み」「心の痛み」を和らげるアプローチを行うことで、リウマチの薬物治療を下支えしつつも痛みの連鎖から抜け出せるようサポート致します。
リウマチ鍼灸②
自律神経のバランス
バランスのとれた自律神経の働きは、関節リウマチ治療にとって大切な要素であると考えており、心拍変動(Heart rate valiability)を測定し、副交感神経パラメータが高い(高い迷走神経トーンを持つ)関節リウマチ患者さんでは、抗リウマチ薬に対して良い反応を示すことがある研究報告が多数出ています。
このことからも自律神経系が人間の炎症を制御する可能性が示唆され、最近では研究されてきています。
例えば、ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7サブユニット(a7nAChR)の薬理学的活性化、電子遠位迷走神経刺激(VNS)によるコリン作動性抗炎症経路の刺激が、関節炎の臨床症状を改善し、サイトカインの産生を減少させ、関節破壊を防ぐということが実験レベルでは研究されてきたりしています。
埋め込み式の迷走神経刺激装置が人間において末梢血中のサイトカインの産生を抑制し、TNFおよびIL-6の産生を有意に抑制し、RAの疾患重症度を改善するという報告も出てきたりしています。
自律神経バランス調整
自律神経バランス調整は、副交感神経活性を上げて抗リウマチ薬の効果を上げるための鍼灸です。
当院の自律神経バランス調整では、まず心拍変動の評価・記録を行い、HRV(心拍変動)を副交感神経優位にする方向やリラックスする方向に働きかけます。
抗リウマチ薬の効果を引き出せるようにと考え、自律神経バランス分析と施術を行っています。
高精度 自律神経測定器「condiView」を使用して、施術前後の比較をしていきます。
その上で、施術開始からの経過を記録していくことで納得して治療を進めることができます。
リウマチ鍼灸③
鍼灸で心身の
セルフマネージメント
関節リウマチ治療において、心身の良好な状態は大きな影響があり、精神的なストレスや鬱状態や不眠は整えたほうが良いとされています。
セルフマネージメントは、EULAR(欧州リウマチ学会)においても推奨されています。
2021 EULAR recommendations for the implementation of self-manegement stratefiesin patients with infalammatory Patient education
- R1.患者が治療に受動ではなく能動的に参加するように勧める
- R2.セルマネージメントを患者が正しく理解することから始める
- R3.ルーチンケアの一部として、患者自身の日常生活にいて支障となっていることを明確化し、治療モクほゆを医療者と共同で設定し、それに対する行動療法などを取り入れるなどを実践する
- R4.診断時から治療過程において、状態に応じて生活習慣に関するアドバイスを適切に提供し、ライフスタイルの改善に対する努力を医療チーム全体でサポートする
- R5.エビデンスに基づいた合併症対策なども含めた生活習慣に関するアドバイスを適切に提供し、ライフスタイルの改善に対する努力を医療チーム全体でサポートする
- R6.セルフマネージメントの成功において、心身の良好な状態は大きな影響がある。定期的に精神的なストレスやうつ状態などに関する評価を行い、必要に応じて専門的介入もアレンジする
- R7.就業に関して問題があれば、ケアにとって重要なことを伝え、患者の希望に応じて相談に応じ、問題解決に有用と考えられる対処に関して必要に応じて提示する
- R8.デジタルデバイスやプログラムもセルマネージメントにおいて有用であることがあり、状況により積極的に利用することも考慮される
- R9.セルフマネージメントの向上を手助けするために、医療従事者側が常に有用な資料やプログラムなどに関して知識をupdateしておくことが重要である
免疫と睡眠衛生状態は関係が深く、睡眠不足は免疫反応の調節を悪化させるため、自己免疫疾患の状態を悪化させるリスク因子として考えられています。睡眠・メンタルなどの心身の健康状態を整えるための鍼灸
炎症と眠り・鬱・倦怠感、痛み、身体活動度は連携があり、それらを整えていくことが関節リウマチ診療においても大切です。
睡眠はいわば、治療においての土台になります。
適度な睡眠からもたらされる「心身の良い状態」という土台に、進歩した関節リウマチの薬物療法を行うことで、関節リウマチを良い状態に持っていくという考え方になります。
T細胞及び制御性T細胞の睡眠による活性
トランスレーショナル免疫学ジャーナル
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- 関節リウマチの薬は減らせますか?
- 主治医からは持病でこれ以上薬は増やしにくいと言われて困っています。
- いつか注射薬は辞められますか?
もちろん、主治医の先生の判断が最も大事ですが、減薬のタイミングである、「寛解維持」をサポートするための鍼灸施術を提供します。
また、使用できる現在使用している薬剤の効果を引き出せるよう鍼灸施術を実施します。
- リウマチの数値は良いがまだ痛い
- 寒さや冷えの時期に関節が痛いのは何故?
- 他の病院でステロイドを処方されたができれば飲みたくない(でも痛い)
鎮痛を中心とした施術で、症状が楽になるようサポートします。
※関節リウマチの病勢評価は、主治医の先生としっかり検討なさってください。
- 夜寝付けないときがある
- 不安がある
- 気持ちが落ち込む
眠りやメンタル不調に対する鍼灸を通じて、治療の土台となる心身状態になるよう鍼灸施術を行います。
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