疲れが溜まり、心地よい眠りが得られない。寝付けない、途中で目が覚めてしまう、熟眠感が得られない、そういった睡眠の悩みを解決したいけれども。睡眠薬に頼る前に出来る方法を探している。という方に、鍼灸という選択肢をお伝えしたいと思います。
鍼灸療法とは
鍼灸療法は、東洋医学の一環として発展してきた古くからの治療法であり、細い針を特定の経絡やツボに刺激することで、身体のエネルギーバランスを調整し、健康を促進します。この伝統的な治療法は古くから様々な症状に効果を出すとされ、眠りのツボも存在します。近年日本でも海外でも、伝統的なツボ刺激に加え、電気を流す鍼などの研究もすすみ、眠りに対するアプローチとして注目を集めています。
海外で電気通電の鍼灸と眠りについては、例えばうつ病の治療において、薬物治療に合わせて電気通電の鍼灸を組み合わせると、睡眠の質が向上したなどの研究が報告されています。

東洋医学の鍼灸と睡眠の関係
鍼灸療法が睡眠に良い影響を与える理由は多岐にわたります。まず、鍼灸は身体の緊張をほぐし、神経系をリラックスさせる効果があります。これによって、入眠しやすくなり、深い眠りをサポートします。
また、鍼灸は血液やエネルギーの流れを促進するため、身体全体に栄養や酸素を効率的に供給する役割を果たします。
神経伝達物質の調整: 鍼灸療法は、セロトニンやメラトニンといった睡眠に重要な神経伝達物質の分泌を調整するとされています。特に、ツボへの刺激が神経系のバランスを整え、リラックスを促進することが確認されています。
ストレスホルモンの低減: ストレスやイライラは、良質な睡眠を妨げる要因となります。睡眠薬以外では、漢方薬でイライラを抑える抑肝散などが処方されることがありますが、鍼灸も同様に心身の緊張を軽減させるとされています。
自律神経の調整: 鍼灸は自律神経系に働きかけ、交感神経と副交感神経のバランスを整えます。これにより、身体がリラックスモードに切り替わり、入眠しやすい状態が生まれます。
気血水のバランス促進: 鍼灸による微細な刺激は、血液やエネルギーの流れを促進します。良好な血行が維持されることで、体内の栄養素や酸素が効果的に供給され、睡眠中の修復・再生プロセスがサポートされます。
様々な不調の改善と体質の改善: 鍼灸は身体全体の調和を促進し、不調や痛みの緩和にも寄与します。不快な症状が軽減されることで、安心感が生まれ、入眠や質の高い睡眠につながることが期待されます。
東洋医学に関しては、経験的に良いとされる効果を中心として発達してきた学問で、まだ未知のことも多いですが、様々な効果があるとされています。
電気通電の鍼と西洋医学での鍼灸
鍼灸治療において電気通電(電気鍼灸)という方法があり、これは鍼に微弱な電流を流すことで治療効果を向上させるための手法です。不眠症に対する鍼灸の効果は研究が進んでいますが、鍼というのは比較試験が難しく、まだ十分なエビデンスがあるとは言い難い部分もありますが下記の効果が期待できると考えられています
神経伝達物質の調整: 電気通電が神経伝達に影響を与え、鎮痛効果や筋肉の緊張緩和を促進する可能性があるとされています。
不眠症に対する鍼灸の効果:
ストレス軽減: 鍼灸はストレスホルモンの低減やリラックス効果が期待され、これが不眠症の症状改善に寄与する可能性があると考えられています。
睡眠の質向上: 一部の研究では、鍼灸が睡眠の質を向上させることが示唆されています。これには、寝つきの改善や深い眠りの増加が含まれます。

