ストレートネックの基礎知識と原因
ストレートネックは、本来前方にあるはずの首の自然なカーブ(前弯)が失われた状態です。
首の骨は、左下図のように前にカーブを描いていることで圧力を分散しますが、ストレートネックの場合はその圧力分散がうまくいかず、首の筋肉などに負担がかかります。

主にスマートフォンやパソコンの長時間使用による不適切な姿勢が原因となり、首や肩の痛み、頭痛などの症状を引き起こします。

最近、デスクワークで首や肩がつらいんです
部位 | 影響 |
---|---|
頸椎 | 前弯の消失 |
頸部筋肉 | 緊張と疲労 |
神経 | 圧迫による痛み |
血管 | 循環不全 |
ストレートネックとは
正常な首のカーブが消失または減少した状態を指します。
本来35-45度あるべき首の前弯(前方へのカーブ)が失われ、まっすぐになってしまう状態で、スマートフォンやパソコンの長時間使用がさらに悪化要素となり、首や肩や頭に痛みが出る原因となります。
姿勢の種類 | 首のカーブ | 症状 |
---|---|---|
正常姿勢 | 35-45度の前弯 | 問題なし |
ストレート | 前弯が少ない | 首こり・頭痛・肩こり・めまい |
デスクワークとの関連性
デスクワークは姿勢の悪化を引き起こし、ストレートネックの主要な原因となります。
特にパソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けることで、首が前に出た状態が続き、首の筋肉に過度な負担がかかります。
姿勢の問題点 | 負担がかかる部位 |
---|---|
前かがみ | 首の後ろの筋肉 |
猫背 | 肩甲骨周辺 |
目線が下向き | 頸椎 |
背もたれに寄りかかり | 腰椎 |
正常な首のカーブについて
健康な首には35-45度の前方へのカーブ(前弯)があり、これが衝撃を吸収します。



人の頭はとても重たいので、首が前弯することによって圧を減らしています。
鍼灸治療の科学的効果と根拠
鍼灸治療は、筋膜や神経系や血流への作用を通じて、ストレートネックによる痛みや筋緊張を効果的に改善する治療法です。
東京大学医学部付属病院をはじめとする複数の研究機関の調査によると、鍼灸治療は下降性疼痛抑制系を活性化し、オピオイドやセロトニンの分泌を促進することで、痛みを緩和する効果があるとされています。
治療効果 | 作用機序 | 期待できる効果 |
---|---|---|
神経系への作用 | 下降性疼痛抑制系の活性化 | 痛みの軽減 |
血液循環促進 | 局所血流量の増加 | むくみ・凝りの改善 |
筋緊張緩和 | 筋収縮反応の誘発 | 可動域の拡大 |



長年の首の痛みが改善されるなら、早めに治療を受けてみたい
鍼灸治療の作用機序
鍼灸治療による生体反応は、神経・体液・免疫系の協調的な働きによって引き起こされます。
神経生理学的には、鍼刺激が体性-自律神経反射を介して、自律神経系のバランスを整える効果があります。
反応系 | 作用 | 効果 |
---|---|---|
神経系 | 体性-自律神経反射 | 自律神経バランスの調整 |
体液系 | サイトカイン産生 | 炎症反応の制御 |
免疫系 | リンパ球活性化 | 免疫機能の向上 |
症状改善のメカニズム
鍼灸治療による症状改善は、局所と全身の両方のメカニズムによって引き起こされます。
局所では、鍼刺激により筋収縮反応が誘発され、筋緊張が緩和します。
作用部位 | メカニズム | 効果 |
---|---|---|
局所 | 筋収縮反応 | 筋緊張緩和 |
全身 | 自律神経調整 | 機能改善 |
中枢 | 内因性鎮痛 | 痛み軽減 |
神経系への影響
鍼灸刺激は、末梢・中枢神経系に作用して、自然治癒力を高める効果があります。
脳機能画像研究により、鍼灸刺激が痛みの抑制に関わる脳領域を活性化することが証明されています。
神経系 | 作用機序 | 効果 |
---|---|---|
末梢神経 | 侵害受容器刺激 | 局所反応誘発 |
自律神経 | 交感神経抑制 | リラックス効果 |
中枢神経 | 下行性抑制 | 鎮痛効果 |
血流改善効果
鍼灸治療は、血管拡張作用により局所血流を増加させ、組織の代謝を改善します。
レーザードップラー血流計による測定では、施術部位の血流量が約40%増加することが確認されています。
効果 | 作用機序 | 改善症状 |
---|---|---|
血管拡張 | 一酸化窒素産生 | むくみ軽減 |
血流増加 | 微小循環改善 | 代謝促進 |
新生血管 | 成長因子分泌 | 組織修復 |
筋肉へのアプローチ
鍼灸治療は、筋緊張を効果的に緩和し、関節可動域を改善します。
筋電図検査により、施術後の筋活動が正常化することが実証されています。
アプローチ | 作用 | 効果 |
---|---|---|
トリガーポイント | 局所反応誘発 | 緊張緩和 |
筋膜リリース | 結合組織弛緩 | 可動域拡大 |
経穴刺激 | 筋代謝改善 | 機能回復 |



実際の治療では、患者さん一人ひとりの症状に合わせて、これらの作用を総合的に活用します
鍼灸治療の具体的な施術内容




可動域や疼痛部位の確認を実施します。また、首の痛みのレッドフラッグサイン(危険兆候)がないか確認をします。
局所点のアプローチ


施術の所要時間
初回の施術は50-60分ほど(評価と施術を含めて)で実施致します。
治療開始前に知っておくべきこと
鍼灸治療を始める前に、症状や治療内容について十分な理解が必要です。
鍼灸治療を受けることでストレートネックの改善が期待できますが, まずは適切な治療時期や治療中の注意点をしっかり把握しましょう。
治療に適した時期
ストレートネックの症状があり、首の痛みや肩こりが気になる場合は、早めの受診をお勧めします。
特にデスクワークで首の負担が大きい場合は、症状が悪化する前に治療を開始すると効果的です。
治療開始の目安 | 状態 |
---|---|
◎ | 首の痛みや肩こりを自覚し始めた時期 |
○ | 姿勢の悪さを指摘された時期 |
△ | 症状が慢性化してから |
× | 急性の外傷直後 こちらは必ず病院へ受診をしましょう。 |



最近、仕事中に首が痛くなってきたけど、いつ治療を始めればいいのかな



早期発見・早期治療が大切ですね
服装や持ち物
鍼灸治療を快適に受けるために、適切な服装と必要な持ち物を準備します。
項目 | 内容 |
---|---|
服装 | 緩めの上着、首周りが開く服 |
下着 | 肌着やインナー |
問診票 | ウェブ問診をお願いしております。 |



タオルは必要なの?汗をかいたりするのかな



当院で清潔なタオルをご用意しております。
治療中の注意事項
安全で効果的な治療のために、以下の注意点を守ることが重要です。
注意事項 | 理由 |
---|---|
食事 | 治療1時間前までに済ませる |
体調 | 風邪や発熱時は控える |
運動 | 治療後の激しい運動は避ける |
入浴 | 治療後2時間は控える |
副作用とリスク
鍼灸治療は比較的安全な治療法ですが、極稀ですが下記のリスクがあります。
副作用・リスク | 対処法 |
---|---|
内出血 | 数日で自然消失 |
軽い痛み | 一時的な反応 |
だるさ | 休息を十分とる |
めまい | 深呼吸をして休む |



副作用が心配だけど、どのくらいの確率で起こるの?



適切な施術であれば、深刻な副作用はめったに起こりません
カウンセリングの重要性
初回カウンセリングでは、症状の原因や生活習慣を詳しく確認することが重要です。
30分以上かけて丁寧なヒアリングを行う鍼灸院を選びます。
確認項目 | 内容 |
---|---|
症状 | 痛みの部位・程度・期間 |
生活習慣 | 仕事内容・運動習慣・睡眠時間 |
既往歴 | これまでの治療歴・事故歴 |
目標設定 | 具体的な改善目標の設定 |



最初の説明が丁寧な鍼灸院なら安心して通えそう
鍼灸院選びは、総合的に判断して決めることをお勧めします。
総合的な改善プログラム
ストレートネックの症状を効果的に改善するには、鍼灸治療を中心とした総合的なアプローチが必要です。
首の痛みや不調を根本から改善するためには、治療とケアを組み合わせて継続的に実施していきます。
鍼灸治療のスケジュール
症状の重症度に合わせて、初期は1週間に1回から2週1回の頻度で鍼灸治療を行うことが推奨されます。
期間 | 頻度 | 目的 |
---|---|---|
初回1ヶ月 | 週1回程度 | 急性症状の緩和 |
2-3ヶ月目 | 週1回 | 症状の安定化 |
4ヶ月目以降 | 2週に1回 | 予防と維持 |



毎週通院するのは大変そう…



症状が和らぐとともに、通院頻度は減らしていけますね
運動療法との組み合わせ
鍼灸治療の効果を高めるために、筋力トレーニングとストレッチを併用します。当院鍼灸師が指導致します。
運動の種類 | 頻度 | 効果 |
---|---|---|
頸部ストレッチ | 1日3回 | 柔軟性向上 |
頸部筋力トレーニング | 1日1回 | 筋力強化 |
姿勢改善エクササイズ | 1日2回 | 姿勢矯正 |
日常生活での実践ポイント
職場や家庭での生活習慣の改善が、症状の改善に重要な役割を果たします。
場面 | 改善ポイント | 具体的な方法 |
---|---|---|
デスクワーク | 画面の高さ調整 | 目線が画面の上部に来るよう設定 |
睡眠時 | 枕の選択 | 首のカーブに合った高さ7-9cmの枕を使用 |
スマートフォン | 使用姿勢 | 目線を下げすぎず45度以内に抑える |
参考文献
J-Stage: “The relationship between cervical alignment and symptoms in patients with forward head posture,” Journal of Physical Therapy Science, Vol.28, No.2.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpts/28/2/28_jpts-2015-740/_pdf
South Baylo University Library: Tetsuro’s paper on cervical spine alignment.
https://app.southbaylo.net/c1/library/uploads/daom/Tetsuro.pdf
よくある質問(FAQ)
- 鍼灸治療は、ストレートネックにどのくらい効果が期待できますか?
-
鍼灸治療は、ストレートネックによる首や肩の痛み、頭痛などの症状緩和に効果が期待できます。筋肉の緊張を和らげ、血流を促進することで、症状の改善を目指せます。
- 鍼灸治療は痛いですか?
-
鍼灸治療で使用する鍼は非常に細いため、ほとんど痛みを感じないことが多いです。チクッとする程度の刺激がある程度で、人によっては心地よく感じる場合もございます。
- 鍼灸院を選ぶ際のポイントはありますか?
-
カウンセリングを丁寧に行い、症状や状態をしっかりと把握してくれる鍼灸院を選ぶとよいでしょう。
- 鍼灸治療と並行してできるセルフケアはありますか?
-
はい、鍼灸治療と並行して、正しい姿勢を保つ、定期的なストレッチを行う、睡眠時間を確保するなどのセルフケアも大切です。ご自身でもできることから取り組み、より効果的な改善を目指しましょう。