猪苓(チョレイ)の効能・使用される漢方薬 西洋医学との関わり

猪苓(チョレイ)は、サルノコシカケ科チョレイマイタケの菌核で、利水滲湿薬に分類される生薬です。中国、日本を産地とし、多糖体を成分としています。

【中医学的に見る猪苓】

猪苓は腎、膀胱系を帰経とし、味を甘、淡、性を平とする生薬です。利水作用は茯苓よりも強く、水湿が停滞した病証には必ず使用されます。昔の文献からは、妊娠中の淋病、全身浮腫、妊娠期間の下半身の浮腫みに単味(猪苓のみ)の粉末を使用していたという記録があります。

【主な漢方薬】

:腎炎、特に血尿が出ている場合にはよく合う漢方薬です(下焦の清熱剤)。排尿痛や尿が出にくい時に効果を示します。また、心配事等があり眠れなくなっている時にも使用されます。猪苓はこの漢方薬において利水効果を発揮しています。

:体内の停滞した水分を取り除く、利尿剤です。猪苓はこの漢方薬において利水効果を発揮しています。

:水様便、浮腫、口渇の症状が揃ったときに用いられ、よく夏バテの時に使用される漢方薬です。猪苓はこの漢方薬において利水効果を発揮しています。

【西洋医学的に見る猪苓】

利尿作用、抗脂肪肝作用が見出されており、猪苓の多糖体のうちGU-2、GU-3、GU-4、アルカリ可溶グルカンには抗腫瘍作用、エルゴステロールには発癌抑制作用や血小板凝集増強作用が報告されています。

  • URLをコピーしました!
目次