薏苡仁(ヨクイニン)の効能・使用される漢方薬 西洋医学との関わり

薏苡仁(ヨクイニン)とは、イネ科の植物であるハトムギの種皮を除いた種子を乾燥させた利水滲湿薬に分類される生薬です。インドシナ半島原産のものが、東南アジア、中国、日本にて栽培されています。デンプン、中性多糖、酸性多糖を成分としています。

 

【中医学的に見る薏苡仁】

脾、胃、肺経を帰経とし、味を甘、淡、性を微寒とする生薬です。薏苡仁は茯苓に似て、利湿も健碑もできる生薬です。脾虚によって生じている食欲不振、下痢、浮腫み、脚気浮腫等の症状に用いられます。また、筋肉のけいれんを緩めるので痺れ症状にも使用されます。

 

【主な漢方薬】

  • 桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)

:駆瘀血剤である桂枝茯苓丸に肌を滑らかにする目的で薏苡仁が加わった漢方薬です。したがって、瘀血体質の皮膚異常(特に角質化したものや赤みをおびたにきび)に使用されます。薏苡仁はこの漢方薬において、清熱解毒作用、排膿作用および利水作用の役割を担うとされています。

 

  • 麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)

:体を冷やしてしまった事が原因で生じる関節痛、神経痛、筋肉痛に用いられます。薏苡仁はこの漢方薬において、風湿邪を取り除き清熱する作用の役割を担うとされています。

 

  • 薏苡仁湯(ヨクイニントウ)

:筋肉、関節部に起こる疼痛で、患部に少し炎症や腫れが残っており、温めても痛みの強さに変化が見られない場合に使用されます。薏苡仁はこの漢方薬において、風湿邪を取り除き清熱する作用の役割を担うとされています。

 

【西洋医学的に見る薏苡仁】

薏苡仁には、中枢抑制作用、筋弛緩作用、抗腫瘍作用、排卵誘起作用、血糖降下作用、免疫賦活作用及び抗炎症作用の報告があります。

 

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