困ってしまうハウスダストアレルギーに使う漢方薬と、原因の解説をします!

ハウスダストのアレルゲン(アレルギーの原因になる物質)として、室内のダニの死骸、カビや細菌、衣類や寝具から出たホコリ、ペットの毛などがあります。

これらは空気中に舞い上がりやすく、人の体内に入るとくしゃみや鼻水、咳、痰などが反射的に出ます。この反応は体内に侵入してきた異物を追い出し、身を守るという本来人間が持っている免疫システムですが、このシステムが過剰に反応する人(アレルギー体質)は、さらに喘息や鼻炎、皮膚炎や結膜炎などの症状を引き起こしてしまう場合があります。せっかくの自分を守るための免疫システムが、自分自身を傷つけてしまうのです。

ハウスダストは環境が原因であるため、こまめに部屋を掃除し、衣類を洗い、身を清潔に保つなど、アレルゲンを取り除くことが優先となりますが、現代の暮らしや生活習慣から、それらを100%除去するのは、なかなか難しいことです。

漢方薬には自己治癒力を高め、アレルギー症状に負けない体質作りを目標とて服用する薬があります。しかしそれは一つの漢方薬ですべてが改善するわけではなく、それについては専門家に相談することを是非おすすめします。ここでは、一時的なアレルギーの辛い症状を改善する漢方薬を紹介します。

ハウスダストアレルギーにおすすめの漢方薬

小青龍湯・・身体に冷えがある人の鼻炎、結膜炎、気管支喘息に ‐

小清竜湯は身体が冷えており、透明の鼻水がツーとたれ落ちるようなタイプの人で、体力が中程度以上の人に適しています。黄色い鼻汁や痰が出る人には効き目がありません。

構成生薬の麻黄、乾姜、細辛には、温めて水を去る作用があります。麻黄には温める作用の他、強力な抗アレルギー作用があることが報告されています。主成分であるエファドリンは交感神経を刺激し気管支を拡張するため、喘息や咳の症状も緩和します。

麻黄はさまざまな漢方薬に使われており、合う方には素晴らしい効果を発揮する生薬ですが、循環器系の既往歴がある人や高血圧の人に影響を及ぼす可能性があるため、必ず服用前に専門家に相談するようにしてください。また甘草を含んでいるため、他の漢方薬との併用や甘草を含む食品の摂取に注意してください。

 『辛夷清肺湯・・ハウスダストアレルギーによる慢性の鼻づまりに‐

鼻腔が炎症して鼻の血管が拡張し、粘り気のある鼻汁のために、常に鼻づまりの状態が続くというタイプで体力が中程度以上の人に適しています。

辛夷清肺湯は小青龍湯とは逆で、身体の内外の熱を取り、潤いを与えることで鼻汁を取り除き、鼻づまりを改善する生薬で構成されています。また、辛夷には鼻の血管を収縮させるという独特の作用と抗炎症作用があります。

間質性肺炎、肝機能障害等の副作用が記載されているため、必ず服用前に専門家に相談するようにしてください。また著しく体力の衰えている人や食欲不振、下痢症状がある人は使用を控えるのがよいでしょう。

麻黄附子細辛湯』・・・体力消耗している人の鼻炎や咽頭の炎症に ‐

ぐったりしていて寒気がする、いつでも横になって寝ていたいような体力虚弱な人や高齢者に適しています。

麻黄、細辛、附子のシンプルな構成で、全てが熱性の生薬であるため、身体を温めて新陳代謝を促し、気や血の巡りをよくすることで症状を改善します。

小青龍湯と同様、麻黄には強力な抗アレルギー作用があるため、気管支を拡張するため喘息や咳の症状を緩和します。

しかし麻黄は循環器系の既往歴がある人や高血圧の人に影響を及ぼす可能性がありますので、必ず服用前に専門家に相談するようにしてください。附子については、のぼせ、舌のしびれなど中毒症状が現れる場合があるため注意が必要です。ただし、一般薬店で市販されている漢方薬は医療用に比較して薬の濃度が薄くなっているため、実際症状が現れるケースは少ないようです。

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