人参(ニンジン)の効能・使用される漢方薬 西洋医学との関わり

人参(ニンジン)は、ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根を乾燥させた、補気薬に分類される生薬です。日本を主な産地とし、サポニンを成分とします。人参は上薬(副作用がなく長期服用可能で、生命を養うための薬)に属す生薬です。

【中医学的に見る人参】

人参は肺、脾系を帰経とし、味を甘、微苦、性を微温とする生薬です。気虚による虚脱症状の改善に用いられます。人参は、人間の根本的な気である「元気」を補う事ができる、と中医学的にはとらえられています。また津液を作る作用もある為、口渇にも用いられます。精神不安、夢を多く見る不眠症にも人参の安神作用が効果を示すという報告もあります。

なお、実証、熱証や気虚ではない人は使用を控えてください。また、人参をお茶で服用したり、大根を食べたりすると人参の効果が減弱するので摂取するタイミングは離してください。

【主な漢方薬】

:虚弱体質の方の冷え症状、胃の不調等に使用されます。下痢をした後に益々疲労感が増して、体調が悪くなる方には特に適した漢方薬です。人参はこの漢方薬において、気を補って脾を丈夫にする効果を発揮しています。

:胃弱の方の頭痛や風邪、胃腸炎の時に使用される漢方薬です。人参はこの漢方薬において、気を補って脾を丈夫にする効果を発揮しています。

:生薬「柴胡」のページを参照して下さい。人参はこの漢方薬において、正気を整え脾を丈夫にする効果を発揮しています。

:生薬「芍薬」のページを参照して下さい。人参はこの漢方薬において、津液を作り脾を丈夫にする効果を発揮しています。

:生薬「麦門冬」のページを参照して下さい。人参はこの漢方薬において、脾を丈夫にし、燥を潤す(=津液を作る)効果を発揮しています。

【西洋医学的に見る人参】

人参のサポニンは、中枢興奮、抗疲労、抗ストレス作用を示すという報告があります。

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